課題は「ICT活用を指導する能力」 中川放送大学教授

教員や教委職員を対象とした「学校とICTフォーラム」が4月27日、都内で開催された。主催は日本教育情報化振興会。教員ら約500人が聴講し、学校のICT化推進が、さまざまな角度から論じられた。

教員ら約500人が聴講した「学校とICTフォーラム」

「教育の情報化促進の鍵は何か」と題して講演した放送大学の中川一史教授は、教員の課題を「児童生徒のICT活用を指導する能力が低い」と述べ、段階的な活用の見通しが必要だと説明。

「例えばタブレットの活用では、まず教員が活用し、次にグループ学習、そして子供1人に1台を導入するなどして、一足飛びにやらないことが重要」と語った。

また、思考力や判断力を高めるツールであるかの見きわめが必要だと語り、「そもそもツールの選択を教員がするのか、子供自身がするのかを考えるところから始めるといい」とした。

「スマホ時代の子供たちのために学校ができること」をテーマに話した、兵庫県立大学の竹内和雄准教授は「スマートフォン利用のルールは、子供自身が考えるのが一番効果的だ」と強調。

調査結果や実践事例を基に、「校則や家庭のルールを破る子供でも、生徒会や学級会で決まったルールは守る傾向にある」と指摘し、「子供が決めたルールを、教員がくつがえすような進め方は反発を生む。最初に基本的な枠組みを示した上で、話し合いをさせるとよい」と語った。

また、ルールについて説明する動画を子供自身が作り、中学生から小学生へ、小学校高学年から低学年へ伝えるのもよいとし、「手ぶれなどがある方が、今の子供は動画共有サイトなどで見慣れているのでなじみやすい。教員が手を入れてしまうと、かえって効果が薄れる」とした。

続いて、文科省「教育情報セキュリティ対策推進チーム」副主査などを務める、KUコンサルティングの髙橋邦夫代表が、「教育情報セキュリティポリシーと学校のICT」をテーマに解説。

情報セキュリティポリシーについて「負担に感じる人が多いが、不正アクセスを防止し、安心してICTを活用できるようにするには不可欠な条件」と強調し、教育活動におけるICTを進めるためのものだと語った。

また、学校への持ち込みを禁止する自治体が多いUSBなどの記録媒体について、「外部に持ち出していいものだけを保存するようにすれば、使用できるようになる」と述べ、「情報セキュリティのために学校や庁舎の机上整理を徹底するなど、一人一人がルールの背景を理解して正しく運用すれば、ICT化が進み、業務負担の軽減や多様な学びの実現につながる」と締めくくった。