教職課程を学科・大学間の連携で 中教審WGが初会合

少子化時代に合わせて大学の教職課程の水準維持や効率化を図るため、中教審初等中等教育分科会教員養成部会のワーキンググループ(WG)は5月7日、初会合を開き、学部間での授業科目の共通化や、複数の大学が連携した教職課程の設置を可能とする制度の見直しに着手した。WGでは、年内をめどに結論を取りまとめる考え。

教職課程基準についての議論をスタートさせたWG

WGでは、現在の教職課程基準を変更し、複数の学科間で教職課程の授業科目を共通で開設したり、大学間が連携・協力して教職課程を設置できたりする仕組みを検討する。初会合では、学科間での教職課程の共通化をテーマにした。

教職課程を巡っては、履修者の減少などから地方の大学を中心に、教職課程の維持が困難になっている学科がある。一方、教育委員会では、教員採用倍率が低下傾向にある小学校や、中学校の「技術・家庭」といった教職課程や免許を持っている人が少ない教科で、十分な教員を確保できていないなどの課題を抱えている。

現在の教員免許制度は、中教審教員養成部会の課程認定委員会による認定を受けた教職課程が設置されている学科ならば、必要な単位を履修して教員免許を取得できる「開放制」をとっている。

教職課程は学科ごとに開設されるのが原則で、大学は学科ごとに教職課程の授業科目を開設し、一定の専任教員を配置しなければならない。中学・高校の教職課程では、条件を満たせば一部の科目を複数の学科で共通開設できる場合があるが、幼稚園・小学校では複数の学科での共通開設ができない。

また、文科省では現在、大学内の学部や研究科が連携して横断的な教育課程(学位プログラム)を編成できる「学部等連携課程(仮称)」の制度創設に向けた大学設置基準や関連規則の改正に向けた準備を進めているが、この新制度を活用した教職課程設置の可能性についても検討する必要がある。

WGでは、これらの制度上の課題を踏まえ、教職課程の科目について学科間による共通開設を拡大したり、専任教員を柔軟に配置したりした場合の、効果や質を保証する仕組みを議論する。

初会合では、出席者から「義務教育学校の設置や、小学校・中学校間での人事異動をしている自治体もある。小・中の両方の免許を取得するニーズは高まっているが、現状ではその間に大きな溝がある」「地方の小規模大学で教員養成機能を維持しようとすれば、複数学科での教職課程の共通化は必須だ」「教職課程の共通化を進めた場合、質を保証する組織を大学につくる必要がある」などの意見が出た。