学校だよりでの「病休公表は違法」判決 佐賀県が控訴へ

過重労働でうつ病を発症し、学校だよりに「病気休暇」と記載され精神的苦痛を受けたとして、佐賀県立高校の教諭が県に損害賠償を求めて起こした裁判で、佐賀地裁が10万円の支払いを県に命じたことを不服として、県が福岡高裁に控訴することが、県教職員課への取材で5月8日までに分かった。

福岡高裁(公式HPより)

教諭は50代の男性で、うつ病の診断を受け2011年2月から3カ月間、病気休暇を取得した。その後、5月から1年9カ月間は病気休職となった。

学校は11年4月、教員名と併せて「病気休暇」と記載した学校だよりを生徒に配布。また、12年8月から5カ月間、学校のホームページに学校だよりを掲載した。

教諭が慰謝料など約920万円の損害賠償を求めたのに対し、佐賀地裁(達野ゆき裁判長)は4月26日に一審判決を下し、学校の安全配慮義務違反や、業務と発症との因果関係、過重労働については、「認めない」として請求を棄却した。

一方で、学校だよりに教諭の病気休暇を記載し、インターネット上でも閲覧できるようにしたことについては、「個人の健康状態、心身の状況、病歴などは通常他人に知られたくない情報で、不利益を生じさせうる」と指摘。

「本人の同意なくみだりに公表することは許されず、違法。公表によって精神的苦痛を受けたと認められる」として、損害賠償として県に10万円の支払いを命じた。

県は裁判で掲載の必要性や正当性を主張していた。教育新聞の取材に対し、「県の教職員として、病気休暇であることを学校だよりに載せることは、社会的に受任される範囲を超えているとは言えない」とコメント。知事の専決処分事項として5月14日開会の臨時県議会で報告し、承認を求めるとしている。