いじめ防止法座長試案に反対 元校長や被害者の高校生ら

いじめ防止対策推進法の改正を巡り、元小学校校長が設立したいじめ防止に取り組む団体「ヒューマンラブエイド」と、いじめ被害にあった高校生らが5月9日、文科省で記者会見した。超党派の国会議員による勉強会で、座長の馳浩元文科相から示された同法改正案の座長試案に対し、いじめ防止教育の観点から反対を表明した。

座長試案の問題点を指摘する、ヒューマンラブエイド共同代表の仲野氏(右)

ヒューマンラブエイドが同日、勉強会メンバーの小西洋之参院議員に提出した意見書では、4月に提示された座長試案で、昨年末に勉強会が示した条文案イメージから、学校のいじめ防止基本計画に関する条文が大幅に削減されていると指摘。

特に、学校が年間の教育活動を通じていじめの起きにくい環境を確保したり、子供が自主的にいじめの防止に取り組むことを支援したりする内容の削除に反対している。

東京都足立区立辰沼小学校の元校長で、子供が主体となった「いじめ防止教育」に取り組んでいるヒューマンラブエイド共同代表の仲野繁氏は「いじめで最も重要なのは防止で、いじめが起きない学校をつくらなければならない。座長試案ではこうした視点がなくなっている」と強調した。

一方、仲野氏は座長試案でいじめに適切に対処できなかった教員に対する懲戒規定が見送られたことについて、「安全配慮義務違反として現行の法体制でも処分することはできる。いじめ防止対策法に明記する必要性はないと思う」との見解を示した。

記者会見には、いじめによって通っていた中高一貫校を退学せざるを得なかった経験を持つ高校生も出席し、「いじめで苦しむ子供に耳を傾けてほしい。人の命を守り、子供の笑顔があふれるような法律にしてほしい」と訴えた。