「未来の教室」がギフテッドを議論 提言に向け論点整理

経産省「『未来の教室』とEdTech研究会」は5月15日、第9回会合を開き、高い知能を持つものの学校教育になじめない「ギフテッド」の子供たちに対する、EdTechによる支援をテーマに議論した。発達障害の治療が専門の「どんぐり発達クリニック」の宮尾益知院長が、ギフテッドの子供たちに求められる教育について報告した。会合では、第二次提言に向けた論点整理も検討された。

ギフテッド教育の課題を議論した「『未来の教室』とEdTech研究会」

「ギフテッド」とは、知能指数(IQ)が130以上あり、特定の分野で天才的な能力を持つ子供のことを呼ぶ。ギフテッドであり、発達障害も抱える子供は「2E」(Twice-Exceptional)と呼ばれる。

日本では、ギフテッドや2Eの子供たちは、特定の能力は高いものの、集団生活や一部の学習分野が苦手で、学校教育に適応できないといった課題がある。米国やイスラエルなど、ギフテッドのための教育プログラムを提供している国もある。

同研究会では、EdTechによる個別最適化された教育環境の実現を通じて、ギフテッドや2Eの子供たちのニーズに応じた教育を提供することを検討している。

多くの症例を扱ってきた宮尾院長によると、ギフテッドや2Eの子供は、2歳半で月の満ち欠けを説明できるなど、高い知能を持っている一方、学校では文字が書けず、忘れ物が多いといった行動がみられ、親から体罰を受けたり、学校での集団生活になじめずに不登校になったりしやすいという。

宮尾院長は「ギフテッドや2Eの子供たちの教育では、得意な部分や興味のあることを伸ばすだけでなく、苦手な行動や学習を、理解度に応じて丁寧にケアしていくことが欠かせない」と述べ、小学校低学年段階では、転校を含めて適切な学習場所を確保し、高学年段階では、ITを利用して苦手を克服しつつ、得意な部分を伸ばす教育が必要だとした。また、ギフテッドや2Eの子供たち同士が交流する重要性も挙げた。

同研究会の第二次提言では、▽Society5.0時代の能力観▽学びのSTEAM化▽学びの自立化・個別最適化――の各論点について、「未来の教室」実証事業やこれまでの研究会での議論を踏まえて検討を行った。

各論点では、学校でSTEAM教育を実施するため、EdTechによる個別学習で基礎基本を理解する時間を圧縮させた上で、STEAMによる協働学習の時間を確保することや、児童生徒、保護者自身が個別学習計画を作成し、学校以外のオンライン教材なども活用しながら学習を進めていくスタイルを提言した。

専門高校を地域におけるSTEAM学習の拠点として位置付けることや、義務教育段階で、通信制高校のようなオンライン学習を主体とした教育の実施についても盛り込まれる見通し。

【おわびと訂正】正しくは「「どんぐり発達クリニック」の宮尾益知院長」でした。訂正しおわびします。