市教委が違法性認める 川口市立中のいじめを巡る裁判で

埼玉県川口市立中学校に通っていた元生徒(16)がいじめで不登校になった問題で、市教委がこれまで不開示としてきたいじめに関する文書について、一転して開示を新たに決定したことが5月15日、分かった。元生徒は不開示処分の取り消しや100万円の損害賠償などを求める訴訟をさいたま地裁に起こしており、この日に行われた第2回口頭弁論で市側が明らかにした。

元生徒の保護者によれば、2018年1月、いじめに関する文書の開示を市の条例に基づいて請求したが、開示されたのは中学校や教委の事案報告書など54枚のみで、それ以外は存在するかどうかも明らかにされなかった。

元生徒らは文書があまりに少ないと感じ、県教委に対して、市教委から送られた文書の開示を請求したところ、103枚の文書が開示されたため、市教委が開示したのが一部だけだったと判明した。

市教委は不開示の理由を「いじめ調査委員会については非公開としているため」としていたが、5月13日付で不開示処分を取り消し、154件、計565枚の文書を開示または部分開示とした。

市教委の担当者は「不開示処分に違法性があった」としている。

また、元生徒側は18年1月に開示されていた54枚の文書について、「多数の虚偽がある」として訂正を要求しており、市教委は同年3月、「元生徒側の主張を報告書に別紙掲載する」として訂正を決定したが、後に方針を変え、不訂正とした。この処分についても元生徒側は裁判で取り消しを求め、市教委は5月13日付で取り消した。

一方、損害賠償については市が争う姿勢で、裁判は継続される。

閉廷後、元生徒の母親は「文書を不開示としたことや、訂正決定したにもかかわらず訂正せず、不訂正決定をしたことは違法だと1年前から指摘してきた。提訴しなければ情報を正しく開示しないのは、大きな問題だ」と語った。