教育再生実行会議が第11次提言 高校普通科の改革求める

政府の教育再生実行会議は5月17日、第11次提言を公表し、同会議の鎌田薫座長から安倍晋三総理に、提言が手渡された。

提言は「技術の進展に応じた教育の革新」と「新時代に対応した高校改革」の2本柱で構成。人生100年時代やSociety5.0の到来など新時代を見据え、これらの変化に対応できる人材育成を目指し、データサイエンス力の育成や高校普通科の見直しなどが盛り込まれた。

まず「技術の進展に応じた教育の革新」においては①Society5.0で求められる力と教育の在り方②教師の在り方や外部人材の活用③新たな学びとそれに対応した教材の充実④学校における働き方改革⑤AI時代を担う人材育成としての高等教育の在り方⑥特別な配慮が必要な児童生徒の状況に応じた支援の充実⑦新たな学びの基盤となる環境整備、EBPMの推進⑧生涯を通じた学びの機会の整備推進⑨教育現場と企業などの連携・協働――について触れた。

「Society5.0で求められる力と教育の在り方」では、基礎的読解力など基盤的学力や情報活用能力の育成を目指すとし、特にプログラミングやデータサイエンスについての教育を着実に実施するとした。さらに情報や工業・商業など技術革新の進捗(しんちょく)が早い分野の教科について、学習指導要領の一部改訂など中長期的な観点で教科書の弾力的な見直しを検討することを示した。

「教師の在り方や外部人材の活用」では、▽社会の変化や技術の急速な進展を踏まえた養成・採用・研修など、教師の資質能力の向上▽ICT活用指導力の育成について、教師の資質向上の指標や教員研修計画に明確に位置付ける▽教員養成を先導するフラッグシップ大学の創設▽専門性の高い外部人材の積極的配置・活用、免許外教科担任が多い教科の免許取得の促進――を挙げた。

「学校における働き方改革」では、校務情報化や表簿電子化による働き方改革の推進を挙げた。

「AI時代を担う人材育成としての高等教育の在り方」では、▽すべての大学生がAI・数理データサイエンスの基礎的な素養を身につけられるよう、標準カリキュラムを作成する▽大学と連携した高度な専門教育によるハイブリッド型の連携教育プログラムを、高等専門学校で導入する――などとした。

一方、高校改革では、①学科の在り方②高校の教育内容、教科書の在り方③定時制・通信制課程の在り方④教師の養成・研修・免許の在り方⑤地域や大学などとの連携の在り方⑥中高・高大の接続⑦特別な配慮が必要な生徒への対応⑧少子化への対応――について触れた。

「学科の在り方」は、全生徒の7割が通う普通科について「一斉的・画一的な学びは生徒の学習意欲に悪影響を及ぼす」と指摘し、改革を求めた。具体的には国が学習の方向性をいくつかタイプ分けし、各学校がその中から選択する仕組みを提案した。

類型例としては▽キャリアをデザインする力の育成重視▽グローバルに活躍するリーダーの素養の育成重視▽サイエンスやテクノロジーの分野におけるイノベーターとしての素養育成重視▽地域課題の解決などを通じた探求的な学びの重視――の4タイプが挙げられた。

「教師の養成・研修・免許の在り方」では、▽校内研修の充実、ベテランから若手教師への知識技能の伝承▽資質向上に関する指標を学校種ごとに記述し、常に点検や見直しを図るようにする▽特別免許状を弾力的に活用し、企業人材やアスリートなど外部人材を活用する――などとした。