中高生と当事者教員 LGBTを考えるトークイベント

中高生がLGBTなど多様な価値観を持つ人との関わり方について話し合うワークショップが5月19日、パナソニックセンター東京で開催された。学校を舞台にLGBTについて描いた映画「カランコエの花」の上映に続き、当事者の教員らと参加した中高生約30人がトークセッションを行った。

作品に込めた思いを吐露する中川監督(右)

「カランコエの花」は、高校で行われたLGBTの授業をきっかけに、「クラスメートに当事者がいるのではないか」と生徒たちに波紋が広がっていく様子を描いた作品。LGBTの当事者本人ではなく、周囲の人々にスポットを当て、「自分と違った価値観を受け入れる」ことについて問いかけている。

登壇した中川駿監督は、映画を製作するまでLGBTの知識がなかったとして、「題材として扱うことで、意図せず当事者を傷つけてしまうのではと思い、最初は怖かった」と話した。しかし、その考え自体が差別的だと知人に指摘されたことを明かし、「知識がなかったからこそ、当事者にとって何が悩みや苦しみかを考えることができていなかった」と振り返った。

そうした自分の気付きを踏まえ、作品では「知識のなさや配慮があるからこそ生まれる差別を描いた」と説明。「人はそれぞれ考え方や価値観が違う。傷つけることを恐れて距離をとるのではなく、意図せず傷つけてしまったときは修正しながら、新たな関係性を築くべきだ」と呼び掛けた。

LGBTについて意見交換する生徒ら

映画上映に続くトークセッションでは、LGBTの当事者である公立学校元教員の小川奈津己氏、非常勤講師の鈴木茂義氏が登壇。参加した中高生はグループに分かれ、「友達からLGBT当事者だとカミングアウトされたらどうするか」「同性に告白されたらどう対応するか」などのテーマで意見を交換した。

小川氏は教員時代を振り返り、「当時、勤務校のエリアの学校すべてで制服があり、男子はパンツ、女子はスカートと決められていた。当事者の自分がもし生徒として通っていたら、しんどかっただろう」と話した。

鈴木氏は「目に見える違いでも、見えない違いでも、世の中にはいろんなひとがいる。みんなの目に見えている他人の姿だけが、すべてではない」と呼び掛けた。

参加した高校生は「LGBTについて知らないのは子供だけでなく、大人も同じだと感じる」と指摘。鈴木氏は「大人にも知るきっかけと、チャンスを与えるべきだ」と述べた。

生徒たちからは「他人のことを自分の価値観だけで判断したくないと改めて思った」「マイノリティーを『受け入れる』という考え方自体が差別ではないかと感じた」「私たちが考える『普通』の範囲がもっと広がればいい」などの意見があがった。

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