名古屋大と岐阜大、国立大初の県境越え統合 新法人設立

一つの法人として統合を目指している名古屋大学と岐阜大学は5月17日、学校教育法等の一部を改正する法律の成立を受け、2020年4月1日に国立大学法人東海国立大学機構を設立すると発表した。研究・教育分野の抜本的な強化と経営の効率化を図り、東海地域を持続的に発展させる狙い。国立大の県境を越えた法人統合が発表されたのはこれが初めて。両大学の統合を受け、政府は5月21日、同機構が継承する資産の評価委員などを定めた政令を閣議決定した。

岐阜大学の森脇久隆学長(左)と名古屋大学の松尾清一総長(両大学HPより)

名古屋大と岐阜大は法人統合に当たり、一つの法人が複数の国立大を運営する「アンブレラ方式」を採用する。18年12月の基本合意書の締結に当たり、両大学は「機構の設立後も、岐阜大学と名古屋大学は引き続きこれまでの形で存続する」と表明しており、統合により、従来の大学間連携では不可能であった教育面での協働や高度な研究拠点の形成、施設の共同利用や産業界との連携を進める考えだ。

機構の長と各学長の役割分担については、機構の長が法人全体の戦略策定や予算の取りまとめなどを担い、それぞれの学長が校務と所属教職員を統括する、と説明している。

名古屋大の総務課によると、今回の統合は名古屋大が複数の大学に検討を呼び掛け、岐阜大が応じたもの。両大学は18年4月以降、設置準備室を名古屋大に置いて協議を重ねてきた。

名古屋大の松尾清一総長と岐阜大の森脇久隆学長は5月17日、連名で文書を発表し、「両大学の持てる力を共有し、地域創生への貢献と国際的な競争力向上を両輪とした発展を目指す」と抱負を述べるとともに、「東海地域をはじめ、国内外で活躍する次世代を担うリーダーとなりうる人材を送り出せるよう、一層努める」と決意を示した。

今国会で成立した「学校教育法等の一部を改正する法律」では、国立大学法人法を改正し、国立大学が複数の大学を設置する場合に、学長に相当する職務として大学総括理事を新設することを定めた。

政令によると、両大学の統合で東海国立大学機構が継承する資産の評価委員は、財務省と文科省の職員1人ずつ、同機構の役員1人(20年3月末までは名古屋大学の役員)、文科相が任命した学識経験者2人で構成。評価委員の過半数の一致で評価を行う。政令は5月24日の改正法の公布に合わせて施行する。

文科省によれば、国立大学の法人統合では、名古屋大と岐阜大のほかに、北海道と静岡県、奈良県の3組7大学で検討が進められている。