農業高校でアグリビジネス学ぶ 都教委と東洋新薬が協定

農業高校で企業から最先端のアグリビジネスを学ぶ――。ICTを駆使したスマート農業による健康商品の開発・販売を手がける東洋新薬と、東京都教委は5月22日、農業高校における教育支援に関する包括連携協定を締結した。農業高校の生徒が最新の農業技術や食品関連産業に触れることで、キャリア形成につなげる狙いがある。

協定書に署名した中井教育長(左)と東洋新薬の服部社長

包括連携協定では、都内に8校ある都立の農業高校や農業に関する学科がある高校に対し、東洋新薬がスマート農業やビジネスモデルに関する授業を行い、教員向けには最新の農業や食品産業についての研修を提供する。

協定締結に際し、都教委の中井敬三教育長は「農業高校には、食品や自然、動植物に興味のある生徒が多く、意欲も高い。一方で、産業界ではバイオをはじめとする技術革新がめざましく、生徒の期待に応えるためには、最先端を行く企業との連携が必要だ。これを機に、教員の意識や技術を高め、指導力向上にもつなげたい」と強調した。

東洋新薬の服部利光社長は「農業高校を卒業後、就農したり農業系の企業に就職したりする生徒は少ないと聞いている。教育課程の中に、農業ビジネスの視点を取り入れることで、『現在進行形の農業』を知ってもらい、生徒の関心を高めたい」と話した。

都は、今年2月に策定した「都立高校改革推進計画新実施計画(第二次)」で、専門高校の教育内容を改善し、生徒の進路実現や社会の変化に対応した人材を育成する方針を示し、企業との連携を進めている。

こうした専門高校と企業との連携について、中井教育長は「教科書や教員だけで教育活動を完結するのは今の時代に合わない。社会の状況が時々刻々と変化する中で、企業と連携して最先端の内容を取り入れ、教育を常にリニューアルしていく必要がある」と述べた。