消費者教育コーディネーター配置へ 東京都が新たな取り組み示す

2022年から成人年齢が18歳へ引き下げられることに伴い、東京都は5月21日、消費生活対策審議会を開催し、若者の消費者被害防止に向けた教育について「中間まとめ案」を示した。消費者教育を専門とする外部講師と学校を結ぶ「消費者教育コーディネーター」の配置や、消費者教育の充実が盛り込まれた。

東京都消費生活対策審議会が示した教材

都の調査では「消費生活問題に関心がない」と答えたのは20代が25.0%と最も多かったとして、成人年齢の引き下げに伴い、18歳と19歳の消費者被害が増える恐れがあると指摘。

被害防止策として、学校での指導については▽学校現場のニーズを把握した上で、新たに消費者教育教材を作成する▽教材を活用するモデル校を指定するなどして、実践的な指導方法を検討する▽保護者に向けた講習会や出前講座を実施する――などが新たに示された。

教員の資質向上については、▽中堅教員向けや家庭科、地理歴史・公民科教員向けの研修の拡充▽実際の授業展開を学べるモデル授業を取り入れた研修の実施――などを提言。加えて「消費者教育コーディネーター」を配置し、学校現場と消費者行政をつないで、学校への専門家派遣を円滑にすることが確認された。

同審議会の委員を務める消費者教育支援センターの柿野成美総括主任研究員は、教育新聞の取材に対し「学校教育と消費者行政が連携できる体制をいかに構築していくか、が大きなポイント」と説明。

中間まとめについては、「都の教育ビジョンには消費者教育に関する内容がなく、行政としてどう消費者教育を進めていくのかが不透明だった。検討を通じて、教育ビジョンに消費者教育が盛り込まれ、モデル校の設置や消費者教育コーディネーターの配置に関する具体的な議論も、全国に先駆けて進んだ」と評価した。

さらに、「学校教育と消費者行政の分断を乗り越えることは、長年の課題だった。自立した消費者の育成に向け、中間まとめ案で消費者教育充実のための第一歩が踏み出せた」と語った。

同審議会は中間まとめ案について、6月に都民から意見を公募し、9月にも小池百合子知事に最終答申案を提出する方針。