LGBTの中高生へ 岡山大が教材「未来の選択肢」作成

岡山大学は5月23日、学校の中に約8%存在しているとされるLGBTの生徒たちに、自身の将来像を考えてもらうための教材「ライフプランを考えるあなたへ-まんがで読む-未来への選択肢(拡大版)」を作成した、と発表した。

自分の将来像を考えさせる内容となっている

同大大学院保健学研究科では、「全ての子供にとってそうであるように、LGBTの子供にとっても、自身の将来像を考え、未来への光が見えるように支援することは、学校における最大の支援のひとつになる」と説明している。

LGBTの児童生徒に対しては、文科省が2015年、きめ細かな対応を求める通知を全国の教委などに出して以降、学校現場での支援が始まっている。同研究科によれば、学校現場では、不登校や自殺未遂、うつなどを防止するための対応に追われ、LGBTの児童生徒が仕事や結婚、子育てといった自分の将来像を考える際の支援までは行き届いていないのが実態だという。

岡山大学では15年、妊娠を希望して不妊治療を受けても高齢のため妊娠できず後悔することがないように、年齢と妊娠しやすさなどを説明した啓発用教材「ライフプランを考えるあなたへ―まんがで読む―未来への選択肢」を岡山県の委託で作成、現在、県内の学校で配布されている。だが、この教材にはLGBTの児童生徒への対応は含まれていない。

そこで「拡大版」では、LGBTの児童生徒を念頭に、「性の多様性と家族形成」について、新たに漫画のストーリーを追加。LGBTの児童生徒が、自分の将来を考えるための教材となるように改訂した。中学校や高校で助産師らによる講習が行われる際に配布したり、保健室に常備したりすることを想定している。LGBTの生徒たちと向き合っている教師から入手希望の問い合わせが増えているという。

同研究科長の中塚幹也教授は「海外では、性同一障害の患者が性別適合手術を受ける前に、将来的に自分の子供を持つ可能性を残すため、自分の卵子や精子を冷凍保存しておくケースもある。悩みを抱えるLGBTの中高生たちに、さまざまな選択肢があることを知ってもらい、未来につながる支援の一助になればいい」と話している。

問い合わせは、josan@cc.okayama-u.ac.jpまで。

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