子供どう守る 首相が対策指示、川崎市教委は見守り強化

どうすれば、子供の安全を守れるのか――。5月28日の川崎スクールバス襲撃事件を受け、登下校の安全確保対策を関係各所が検討し始めた。

会見する安倍首相(首相官邸HPより)

安倍首相は同日、柴山文科相ら関係閣僚に対し、子供たちの登下校時の安全確保対策を行うよう指示。29日に関係閣僚会議を開き、対策を協議する。

首相官邸で会見した安倍首相は「大変痛ましい事件であり、幼い子供たちが被害にあったことに強い憤りを覚える。子供たちの安全を何としても守らなければならない。先ほど、関係閣僚に対して、子供たちの登下校時の安全確保について早急に対策を講ずるよう指示した」と述べた。

柴山文科相は28日午前の閣議後会見で、「被害にあわれた方に、心よりお見舞い申し上げる。文科省として、事実関係について早急に情報収集を行う。学校、通学路の安全確保にいっそう取り組んでいきたい」と述べ、「不審者情報の共有あるいは周知を、国家公安委員会をはじめ、政府を挙げてしっかりと対策を採っていく必要がある」と語った。

文科省は28日、事件に関する情報収集に当たり、29日の緊急閣僚会議を受けて対応を検討する方針。

川崎市教育委員会は全ての市立学校に対して、児童生徒の安全を最優先し、29日以降も含め、下校時の教職員による見守りを強化するよう要請した。

2018年2月に文科省は「学校の危機管理マニュアル作成の手引」を策定している。それによると、凶器を持った不審者が通学路近くでうろついているなどの緊急性が高い場合は、教職員が現場に急行し、児童生徒の安否確認や負傷者の状況などの情報収集を行った上で、警察が到着するまでの間、児童生徒の安全確保を図ることとしている。

さらに、不審者が確保されていない場合は、学校や自宅に児童生徒を待機させるなど、安全確保を優先し、保護者への引き渡しや集団登下校、教職員・地域ボランティアらによる緊急防犯パトロールなどを実施するよう定めている。

教育新聞論説委員の細谷美明・元全日本中学校長会会長は「過去の通り魔事件でも、子供が集団となっているところを犯人は狙っている。歩行であろうがバスであろうが、集団で通学する子供たちに対し、いかに大人が守れる体制をとれるかがポイントだ。教職員の力だけでは不可能で、『スクールガード』のような、校外の子供の安全を地域が担う『大人の目』をできるだけ多く配置していく必要がある」と指摘する。