5月28日に起きた川崎のスクールバス襲撃事件。事件発生時刻に、カリタス小学校にいた保護者の一人に心中を聞いた。
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先生方が尋常じゃない形相で校舎から一斉に出てこられたのを見て、異変に気づきました。
バス停で児童が刺されていると聞き、心臓が止まりそうでした。
この日、わが子も利用していたバスです。
思わず娘のGPSをチェックすると、すでに校舎内にいる位置を示していましたが、実際に娘に会うまでは、GPS情報を信じきれませんでした。
カリタス学園は、困っている人を助けることに喜びを感じる人を育成することを、教育理念の柱としていました。
被害に遭われたお子さまは、その理念のもと、毎日精いっぱい頑張って生きていたはずなのに、なぜこんなことが起こるのか。涙が止まりません。
たまたま紙一重で一本先のバスに乗れた娘の無事を聞き、私の友人から送られてくる「良かったね」というメッセージ。
正直、何も返答できませんでした。
娘は助かりましたが、幼稚園からずっと仲良しだったお友達が被害にあったのです。
傷を負わなかったけれど、友達が切りつけられている姿を目撃した児童も多数います。
生かされた者がこれから背負うものの重さ、そしてその悲しみを考えると、胸が張り裂けそうです。
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28日午後5時から始まった緊急保護者会では、亡くなった児童と保護者の名前が発表され、会場には悲痛な声が響いていたという。