中高の陸上部での鉄剤注射問題で 日本陸連が指針を公表

中学校や高校の陸上部で長距離選手への不適切な鉄剤注射が発覚したのを受け、日本陸上競技連盟は6月3日までに、鉄の過剰摂取の危険性や鉄不足に対する適切な治療法などをまとめたガイドラインを公表した。ガイドラインでは不適切な鉄剤注射の根絶を目指し、鉄剤の適切な摂取方法についての教育啓発を強化する方針を示した。

同連盟が公表した「不適切な鉄剤注射の防止に関するガイドライン」によると、静脈内に鉄を直接注入する鉄剤注射が繰り返されると鉄過剰状態となり、肝機能障害や心筋症など、鉄毒性による健康障害を招く恐れがあると警告。成長期の中学生、高校生に対する鉄欠乏性貧血への対処には、鉄を多く含む食品を摂取する食事改善や、血液検査の結果で治療が必要となった場合でも経口鉄剤を使用することを求めた。

特に女性競技者の場合、運動量に見合ったエネルギーを摂取できないと、無月経や骨粗しょう症に陥りやすいとし、競技種目の早期専門化やトレーニングによる負荷のかけ過ぎを抑止することが、不適切な鉄剤注射の防止につながると指摘した。

同連盟では不適切な鉄剤注射を防止するため、2019年度の全国高校駅伝競走大会から、出場する全チームに身体計測データや血液検査の結果報告を求め、鉄剤注射を実施している場合は申告書の提出を義務付ける方針。血液検査の結果、異常値が認められればヒアリングを実施し、問題があると判断された場合は、チームの出場停止や順位の剥奪が宣告される。