グローバルティーチャー3人が報告会 日本版設立も発表

教育界のノーベル賞といわれる「グローバル・ティーチャー賞2019」のトップ10に選ばれた、立命館小学校(京都府)の正頭(しょうとう)英和教諭が6月2日、都内で報告会を開催した。同じく16年にトップ10に選ばれた工学院大学附属中学校・高校の髙橋一也中学校教頭、18年にトップ50に選ばれた滋賀県立米原高校の堀尾美央教諭も登壇。参加した教育関係者約200人に向け、3月にドバイで開かれた大会の報告や実践発表を行った。

報告会に参加した髙橋教頭、正頭教諭、堀尾教諭(左から)

正頭教諭は大会に参加したきっかけや選考プロセス、エピソードなどを紹介。選考では「なぜあなたは教育界に偉大な貢献をしたと思うのか」「あなたが他の教師と違うところはどこか」「日本の文科省に言いたいことはあるか」など多種多様な質問をされ、改めて教育について考えるきっかけになったという。

さらに大会を終えて、教師は社会に変革を起こす存在であるべきだと感じたとし、「けっして世界規模での話ではなく、目の前の児童生徒の心を変えたり、少し揺さぶったりするだけでいい。教師は『チェンジメーカー』であるべきだと心にとどめてほしい」と参加者に語りかけた。

模擬授業では、正頭教諭が授業で実際に活用する「マインクラフト」を参加者が体験。「マインクラフト」とは、オンライン上にブロックで建造物や自然を作るゲーム。

正頭教諭の学級では「マインクラフト」で京都の街を再現し、海外に紹介するといったプロジェクトに取り組んでいる。特徴は教科横断型で学習を展開する点。例えば「社会」で地域の建築物について調べたり、「英語」で児童が実際に外国人に観光ガイドをしたりして、プロジェクトにつなげる。

完成した「街」は海外の同世代とオンライン上で共有し、英語でフィードバックをもらう。

大会のエピソードを披露する正頭教諭

正頭教諭は「ICTを使った学習はコミュニケーションをとらない、冷たいイメージを持たれがちだが、それは使い方しだいだ」と話した。

堀尾教諭は「生徒を世界に繋ぐICT活用」をテーマに、生徒がスカイプを用いて世界各国と交流を深めた授業事例を紹介。

ICT設備などについて都市部の高校との環境格差が課題だったとし、「当校は地方にあり、設備にも限りがある。しかし多様なツールを活用し、実際にさまざまな国の同年代と会話することで、生徒の英語のモチベーションがみるみる上がった。今まで見たことがない表情で学習に取り組むようになった」と話した。

髙橋教頭はレゴや3Dプリンター、電子ミシンなどを使った授業事例を紹介。

またイベントの終盤に、日本版の「グローバル・ティーチャー賞」の設立も発表した。

髙橋教頭と堀尾教諭、正頭教諭らが旗振り役となり、具現化させていくという。

髙橋教頭は「日本は教師に対してネガティブなイメージを持つ人が増え、成り手がいないのが現状。この賞で学校の教員たちに光を当て、改めて教育は素晴らしいと思ってもらいたい」と協力を呼び掛けた。

髙橋教頭、堀尾教諭、正頭教諭はこの前日の6月1日には、教育新聞主催の公開鼎談(ていだん)を行った。その内容は近日、掲載する。