「遠隔授業は特別なものじゃない」 実証報告が都内で

「あなたの街で始める遠隔授業~実証を通じて得た知見をもとに~」をテーマにしたパネルディスカッションが6月7日、都内で開催され、これから遠隔授業に取り組み始める教員や教委に向けて、実証事例が報告された。

遠隔授業に関する取り組みなどを報告する登壇者ら

教育イベント「NEW EDUCATION EXPO 2019」の一環。信州大学学術研究院教育学系の東原義訓教授が司会を務め、岡山県赤磐市教委と、熊本県阿蘇郡の高森町立高森中央小学校が取り組みを紹介した。

赤磐市教委では、遠隔システムを市内の小学校5・6年生のプログラミング教育で活用。信州大学の教授と各教室を遠隔システムでつなぎ、児童は指導を受けながらマイクロビットに取り組んだ。

実際の作業のサポートは、同学教育学部の学生が担当。オンライン上で会議できるツール「ズーム」を用い、学生は児童と同じ画面を見ながらアドバイスを送った。

この取り組みを受け、同学の東原教授は学生にも気付きがあったとし、「児童から突発的にくる質問に対応することで、学生の指導方法がみるみる上達した。最初は指示型の口調だった学生も、回を重ねるごとに児童の気付きになるように発問していた。学生は録音したものをテープ起こしし、自身の指導法の改善に役立てていた」と報告。

それを踏まえ、「最初、つながった相手側はどうしてもつき合わされている感があるかもしれない。しかし遠隔授業は、必ず両者にメリットがあると知った上で取り組んでほしい」とメッセージを送った。

高森中央小学校は町内に1人しかいないALTや、日本科学未来館などの専門家と実施した遠隔合同授業を報告。

同小の小林翼教諭は「機器のポイントをつかみ、授業の形式に合わせて使用することが大切。自分の授業を見られるシーンが増えるので、教員自身の気付きにもなる」と説明した。

東原教授は「Society5.0を見据え、児童生徒が遠隔システムを含んだICTを日常的に使えるようにするべきだ。遠隔教育は特別なものじゃないと意識してほしい」と呼び掛けた。