自校のデータを基に働き方改革 横浜市の新任校長研修

自校の働き方の課題をデータで示して働き掛ける――。横浜市教育委員会では、学校ごとに教職員の働き方に関するデータを分析し、校長が教職員と共に業務改善に向けたプロジェクトを進める新任校長研修を実施している。6月7日に開かれた第2回の研修会では、各校のデータを見た新任校長らが、教職員に問題意識を共有してもらうためのプレゼンテーションの作成に取り組んだ。

学校のデータを確認し、課題を話し合う新任校長ら

横浜市教委では、立教大学の中原淳教授の研究室と共同で「サーベイフィードバック」による学校の働き方改革に取り組んでいる。サーベイフィードバックとは、組織に関する健全性を組織のメンバーにデータで提示し、対話を促しながら問題解決を図る組織開発の手法。

研修は同市立小、中、高校、特別支援学校の計86校の新任校長を対象に実施。各学校で教職員向けに実施した働き方に関するアンケートの結果を見ながら、教職員の勤務状況や職場に対する意識などを校長自らが分析した。校長らは全体平均と自分の学校のデータを比較し、強みや課題を浮き彫りにした上で、教職員に向けてプレゼンテーションするためのストーリーを練った。

参加した校長らは「教材の共有や相談をしていないようだ。だから若い教師で不安を感じる割合が高いのかもしれない」「職員同士で仲がいいと思っていたが、意外と職場で助け合う雰囲気が高くないことが分かった」「月当たりの休日出勤日数が二こぶになっている。一部の教員に負担が集中しているのかもしれない」などの気付きについて意見交換した。

校長らはこの後、データを踏まえたプレゼンテーションを自校の教職員に向けて開き、それぞれの学校の課題に応じた業務改善に取り組む。次回の研修で、その成果を報告する。

中原教授は「企業では業務改善に向けた課題の『見える化』を定期的に行っているが、学校にはそうした機会がない。データでロジカルに説得しなければ、経験則の応酬になってしまい、長時間労働の見直しを訴えても、教員にとっては自己否定と受け取られかねない。校長には、データを基に説得力のあるストーリーを作る練習が必要だ。その際、教員が課題や改善策について考える余地を残さないと、やらされ感につながってしまうので注意が必要だ」と話した。