働き方改革を考える 内田准教授ら教員志望の学生に講演

学校の働き方改革を考える教員志望の学生らによる団体Teacher Aideが主催するイベント「Let’s Think~みんなで考えるカラフルな教育~」が6月8日、東京都小金井市の東京学芸大学で開かれ、内田良名古屋大学准教授をはじめ、学校の働き方を考える研究者らが講演した。部活動、給特法など、登壇者はそれぞれの専門から、学校の働き方改革を考える視点を提供した。

登壇者らによるパネルディスカッションも行われた

日本部活動学会会長の長沼豊学習院大学教授は講演で、生徒が全員、何かしらの部活動に加入しなければならなかったり、教員が何かしらの部活動顧問を引き受けなければならなかったりする現状を改め、将来的に部活動を教育課程に位置付けた「クラブ活動」と、学校外の活動に分離すべきだと提案。長沼教授は「部活動には教育的意義がある。それならば、特別活動として時間を決め、生徒が主体的に運営し、教師はそれをサポートするが技術的な指導はしない形に移行すべきだ」と述べた。

教育法学が専門の髙橋哲埼玉大学准教授は、給特法を巡る法的な問題点について、「現状の教員は、労働基準法から地方公務員法で除外される公務員の中でも、さらに特殊な状況に置かれている」と強調。さらに、休日の部活動指導に対して特殊勤務手当として支給される部活動手当について「文科省では、部活動はあくまで教師の自発的行為としているにもかかわらず、公費である特殊勤務手当を支給することには矛盾がある。特殊業務手当は本来、『著しく危険、不快、不健康または困難な勤務その他の著しく特殊な勤務』に対して支給されるもので、部活動が該当するのかも疑問だ」と指摘した。

内田准教授は、教員志望の学生が大学の授業などで教員の働き方について学ぶ機会がないと指摘して、「教職の魅力ばかりを強調するのではなく、学校が抱えているリスクを直視し、減らしていくための議論をすべきだ」と問題提起した。また、内田准教授は研究対象としている危険な組み体操や柔道の指導中に起きた事故などにも触れながら、「教育というだけで危険な指導が問題とされにくい。同僚の教師も気付いていながら止められない。声を上げられない。これは教育の闇だ。教育だけが聖域ではないはずだ。もっと外の風を取り入れて、問題を訴えることができる仕組みが必要だ」と話した。

イベントには教員志望の学生ら約100人が参加し、登壇者らによるパネルディスカッションも行われた。

Teacher Aideは昨年12月に発足し、各地で学校の働き方改革をテーマにしたイベントを開催してきた。全国16大学に支部がある。この日のイベントを主催した東京支部の代表者は「卒業したら教員になるのに、多くの学生は教師の働き方の問題を自分事として受け止めていない。学校がどうなっているのか、現場の教師の話をもっと聞きたい」と会場に呼び掛けた。