留学生1610人が所在不明 東京福祉大 文科省が指導

文科省は6月11日、多くの留学生が所在不明になっている東京福祉大学に対する調査結果を公表し、2016~18年度に計1610人の所在が分からなくなっていることを明らかにした。同省は、留学生を安易に受け入れ在籍管理が不十分だったことが原因で、「大学の責任は重大だ」として、所在不明者が多い「学部研究生」の新規受け入れを停止するよう同大に指導を行った。今後、私学助成金の減額や不交付も検討する。

文科省と出入国在留管理庁は、今年3月から5月にかけ、都内、群馬県、名古屋市にある東京福祉大学の全4キャンパスに計5回、調査に入った。その結果、同大留学生の所在不明者数は16年度が305人(在籍留学生中10.1%)、17年度が482人(同12.9%)、18年度が823人(同16.0%)と年々増えていたことがわかった。

同大の留学生は、学部や大学院で学ぶ「正規課程」のほか、入学前に日本語を修得する「留学生別科」、準備課程として心理学などの専門分野を学ぶ大学独自の「学部研究生」の3種類がある。この3年間では、学部研究生が急増しており、所在不明者も8割が学部研究生だった。

文科省によると、この学部研究生は、正規課程の研究生との名目で受け入れていたが、実質的には日本語能力が足りずに大学に進学できない留学生が多数在籍。学期当初から欠席し、そのまま所在がわからなくなる研究生も相当数いた。大学の設備や職員数も留学生の規模に見合わず、ずさんな受け入れ態勢だったという。

このため、文科省は同大に新規の学部研究生を受け入れないよう指導した。在留資格の申請があった場合には、出入国在留管理庁が認めない。正規課程と別科の留学生受け入れについては、これまで以上に審査を厳格化する。また、同大に改善計画の提出を求め、私学助成金のカットを検討する。

柴山昌彦文科相は同日の会見で、「的確な把握が遅れ、早期に必要な対応をすることを逸したことは問題があった」と述べる一方、大学での在籍管理を徹底しつつ、政府が進める留学生30万人計画を推進する考えを示した。

同省と出入国在留管理庁は、大学や専門学校に留学生の在籍管理を徹底させる方針を策定。指導に応じない大学に対し、留学生の在留資格を与えないことや大学名の公表などを検討する。専門学校を所管する都道府県にも同様の対応を促す。