未来の学校教育に三つの柱 「未来の教室」第二次提言案

経産省は6月10日、「未来の教室」とEdTech研究会の第10回会合を都内で開き、EdTechを活用した教育プログラムの開発を盛り込んだ第二次提言の素案を公表。未来の学校教育を構築する三つの柱として、①学びのSTEAM化②学びの自立化・個別最適化③新しい学びのインフラ構築――を提起した。

素案について意見を交わす委員ら

素案では、教育改革の現状と課題について、平成の30年間は「時代の変化に対応できなかった結果、急速に勢いを失った」と指摘。これからの学校教育は成功体験から脱却して変化に対応し、社会と教育の距離を近づけていく必要がある、と位置づけた。

そのうえで、未来の教室の構築に向けて、三つの柱を打ち出した。

学びのSTEAM化は、子供たち一人一人が感じる意欲としてワクワクを起点に、教科知識や専門知識を「知る」ことと、探究やプロジェクトを通じて何かを「創(つく)る」ことが循環する学びの形を提案。プロジェクトを創りながら知識の使い方を知る学習や、講義の動画や指導案などSTEAMコンテンツを共有できるプラットホームの作成などを示した。

学びの自立・個別最適化では、子供一人一人の認知特性や興味・関心、到達度を踏まえ、幼い頃から自分に適した学び方を選び、自由に組み立てられる学習環境の必要性を指摘。学習ログの蓄積と分析を進め、個別学習計画の作成と修正を行うサイクルを形成するとした。

新しい学びの構築では、ICT環境や教員の業務環境など「学びのインフラ」を抜本的に刷新させる必要性があると指摘。具体的には▽徹底的なICT環境の整備▽子供の理解度に基づいた「到達度主義」への移行など制度環境整備▽学校の業務構造の抜本的改革▽教員自身が学校外で学び続ける機会の創出▽学校教育、学習塾など民間教育、産業界、地域社会が融合した学習環境の構築――が挙げられた。

委員からは「提言で示していることは、一つの学校や一人の教員だけでは実現できない。複数の学校や学習塾などを越境し、具現化させることが必要と明記するべきだ」「現在の学校教育は認知スキルに左右されており、社会が求めているスキルと乖離(かいり)している。その点を問題提起するべきだ」「これまでの教育の在り方を否定する書きぶりではなく、教委や教員が未来のいい学校教育の形をイメージできるよう工夫してほしい」などの意見があがった。