組み体操のピラミッドやタワー 原則禁止を通知、大阪府

大阪府内の学校で組み体操中の事故が相次いだのを受け、府教委は6月11日、「ピラミッド」や「タワー」など、両足が地面に着いていない児童生徒の上に別の児童生徒が乗る技は、高所から落下したり、重量がのしかかり重大事故が起きたりする危険があるとして、原則禁止とする通知を全府立学校に出した。

大阪府教委が示す「安全に配慮した実施例」①

また、市町村教委にも、組み体操の実施の有無を含め、内容を再検討するよう要請した。

府教委教育振興室によれば、2018年度は府内の公立計1670校で、組み体操中の負傷事故は383件発生し、うち103件が重傷。15年には大阪府八尾市の中学校で、組み体操が崩れ複数の生徒が負傷する事故が起きている。

府教委はこうした実態を踏まえ、足が地面に着いていない児童・生徒の上に、別の児童・生徒が乗る技の実施を原則禁止とした。

実施を認めるのは、ピラミッドが3段、タワーが2段までで、土台となる児童・生徒が足を地面に着いている場合のみ。

大阪府教委が示す「安全に配慮した実施例」②

府教委が図示した「安全に配慮した実施例」では、補助が付いているが、なくても実施を認める。日本スポーツ振興センターによる「体育的行事における事故防止事例集」に基づいた。

府教委教育振興室保健体育課の担当者は教育新聞の取材に、「技の成功で達成感や感動を味わわせたり、練習の過程で団結力を育んだりするなど、教育的意義は承知しているが、事故がいまだに多発していることを重く受け止め、安全対策が必要だと考えた」と話した。

「原則」としたことについては、「大塚高校、摂津高校の体育科は例外とするため」と説明。「体育科は日ごろからトレーニングしており、加重計算などもして専門的見地から安全性を確認しているため、実施を認める」としている。

府教委は東大阪市立小学校3校の運動会で19年度、7段のピラミッドや4段のタワーが計画されていたことについて、保護者の間で懸念の声が広がっていたことを受け、対応を検討するとしていた。

今回の通知について吉村洋文府知事は「ずっと伝統でやってきているので続けたい思いがあるのは分かるが、重大事故が起きてからでは遅い」とコメントしている。

スポーツ庁は16年、技が安全にできないと判断すれば実施を見合わせるなど、事故の防止に関する通知を都道府県教委に出している。