長野県伊那市とSB C&S ICT活用教育で連携

長野県伊那市教委は6月12日、ソフトバンク関連企業「SB C&S」と、ICT活用教育推進に関する協定を締結した。ICT流通事業に携わる同社の専門的なノウハウの提供を受け、市立小中学校でタブレット端末などの機器を活用した深い学びを推進する狙い。

協定を締結した笠原千俊教育長(左)とSB C&Sの仲畠太士氏(同社提供)

協定締結式は同日、市役所で開かれ、市教委の笠原千俊教育長と、同社ICT事業本部EM本部の仲畠太士本部長が協定書を取り交わした。

この日は、同市立伊那西小学校で公開授業も実施。同社が所有する機器を実際に活用しながら、児童同士がタブレット上で意見交換して考えを深めるアクティブ・ラーニング型の授業が行われた。

同市が市立小・中学校へタブレット端末を導入したのは2014年度で、16年には市新産業技術推進に関する柱の一つに「ICT教育」を掲げるなど、ICTの活用に積極的に取り組んできた。

17年には「伊那市学校教育の情報化ビジョン2017」を掲げ、小・中学校21校へ約760台のタブレットを導入。一斉授業での資料や動画の提示、教員による個別指導などでの活用を進めてきた。19年には約2千台を追加導入する予定だ。

一方で、教員のスキルアップや施設・設備の充実など、ICTを実際に運用する上でのさまざまな課題が浮き彫りになっていたという。

「Summer Camp in いな」イメージ(同社提供)

同社は13年に教育ICTに特化した専門チームを設立しており、これまでに三つの自治体と教育連携に関する協定を締結してきた。伊那市は4例目となり、今後は研修会や操作指導などの技術的サポート、最先端機器のトライアル提供、他の自治体での活用事例紹介、イベントの共同開催など多方面で支援していく。

8月には協定に基づく取り組みの一環として、ICTを活用したフィールド学習「Summer Camp in いな」を開催する予定。小学4~6年生が対象で、小学校を会場に、タブレットを自然の中で活用したバードウオッチングや星空観察をして、伊那市の自然をテーマにした探究学習を実施する。

協定を締結した笠原教育長は「伊那市では伝統的に、地域をフィールドとした学習に力を入れてきた」と話し、「ICTと結び付けることで、より深い学び、新たな学びを創造する教育活動を実現していきたい」と力を込めた。

仲畠本部長は地域の特性を活用した同市の教育活動を高く評価していると述べ、「ICTを使って楽しく学べるよう支援したい」と語った。