SDGsと教育の交流イベント 教員ら170人参加

国連が設定した持続可能な開発目標(SDGs)と教育の在り方を考える交流イベント「今こそSDGs×教育を考える」が6月12日、東京都新宿区のJICA地球ひろばで開催され、SDGs推進団体関係者や教員、官公庁職員、学生ら約170人が参加した。「2030年までに教育を通してSDGsの実現につなげていけるのか問われている」(辰野まどか・グローバル教育推進プロジェクト代表理事)との問題意識から、SDGsと教育を巡る現状と課題が報告された。

イベントの冒頭、全体説明を行う辰野まどか・グローバル教育推進プロジェクト代表理事

イベントは、関連団体や官公庁などの関係者が個人として参加するSDG4.7プロジェクト運営会議が主催した。

講演ではまず、川嶋直・日本環境教育フォーラム代表理事が、ESD(持続可能な開発のための教育)をキーワードとして取り上げ、「持続可能な社会を教育の力で実現しようという考え方。すなわち、SDGsを理解する行為がそのままESDだ」と整理。その上で「学んだら、次はAction(行動)だ。ESDのEをAに変え、持続可能な開発のための行動を促すことが大切になる」と、SDGsと教育の在り方を方向付けた。

柴尾智子・ESD活動支援センター次長は「ESDは、SDGs達成に向けた人づくり。SDを実現するための知識、スキル、価値観、ライフスタイルを身に付けること」と述べ、ESDが必然的に教育の質の向上を伴うことを指摘した。

また、齋藤克義・JICA地球ひろば推進課長は、開発教育の裾野を広げるため、「これまでSDGsを授業に取り入れたことのない教員に広めることが、最も重要な課題だ」と、教員に対する啓発の必要性を強調。教員の理解を促すために、SDGsへの取り組みが、いじめや不登校、外国人の子供の教育など学校現場の課題解決につながる考え方を紹介した。

具体的には、多文化共生をテーマにアクティブ・ラーニングを展開することで、児童生徒のコミュニケーション能力が向上する▽外国人を親に持つクラスメートへの理解につながり、いじめの言動がなくなる――といった可能性を挙げた。

会場では、登壇者の講演の合間に対話タイムが何度も設定され、近くに座った参加者同士が自己紹介をしながらSDGsと教育に関する考えを深め合う交流が行われた。

国連は15年9月、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で17項目の持続可能な開発目標(SDGs)を設定、このうち目標4として「質の高い教育」を置いた。

こうした流れを受けて、21年度に完全実施される中学校の新学習指導要領では、前文に「一人一人の生徒が(中略)様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓(ひら)き、持続可能な社会の創り手となることができるようにすることが求められる」と明記され、SDGsの実現が教育課程の目的として位置付けられている。

このため、SDGsに対する教員の関心は高まっており、この日の参加者も約3割を教員が占めた。