「先生自ら問題解決者に」 学校教育でのPBLをトーク

高校向けにPBL型の教育プログラムを提供している「青春基地」主催のイベント「学びの未来地図2019~学校と企業における学びの再定義~学校編」が6月12日夜、都内で開かれた。学校教育におけるPBLの展開をテーマに、桐蔭学園理事長で、同学園トランジションセンター所長の溝上慎一氏らが語り合った。

学校におけるPBLについて話す溝上慎一氏(左)

同イベントにはオンライン参加を含め、教育関係者ら約80人が参加した。

トークセッションでは、青春基地の石黒和己代表理事と、フィルムクリエーターでEXIT FILM代表取締役の田村祥宏氏、溝上氏が登壇。

石黒氏はテクノロジーの発展によって、Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)が増していると指摘。石黒氏は「従来の教育は読み・書き・そろばんと、学習を習熟させることに注力してきた。しかし、VUCAの時代を迎え、教育が個人の内省や幸福、クリエイティビティとどう向き合ってくかが問われている」と問題提起した。

埼玉県横瀬町で、一流のクリエーターが協力し、中学生自身が町を舞台にした映像作品をつくる「CREATIVITY CLASS」のプロジェクトに取り組んだ田村氏は「一過性のものでは町は変わらないし、中途半端では教育にはならない。こうしたプロジェクトを学校の教科の学びとどう結び付けるかが課題だ。教師と学校の外が協働していける体制を築ければ、持続的な活動になる」と話した。

溝上氏は「PBLを学校でやることは重要だが、PBL一辺倒になるのはまずい」と指摘。その上で「習得、活用、探究はいずれも必要だ。習得や活用で基礎を理解して議論の共通基盤をつくらなければ、他者と協働する探究はできない」と強調した。

また、「教師にはPBLのような主体的な取り組みをする余裕がない」という会場からの質問に対して、溝上氏は「素朴な問いを問題解決的な課題に発展させていこうと、問いの立て方や情報整理の仕方を教師は教えるが、教師自身が問題解決に向かっていないのではないか。働き方改革などの課題に教師が主体的に取り組めていないのに、主体的な学びを生徒にしなければならない。このギャップが生じている。先生自らが問題解決者になってほしい」と呼び掛けた。

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