就学援助に地域間格差や使いにくさ 超党派勉強会で報告

子供の貧困対策や被災地での就学支援などに取り組む国際NGOのセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは6月13日、超党派の国会議員らが出席する教育の私費負担を考える勉強会「就学援助制度の今を知る」を都内で開いた。経済的に厳しい家庭に対して義務教育段階の学用品費や学校給食費を援助する就学援助制度の課題について、研究者や学校の事務職員らが報告した。

超党派議員らに就学援助制度の課題を報告する鳫咲子跡見学園女子大学教授(右から2人目)ら

登壇した鳫(がん)咲子跡見学園女子大学教授は、就学援助率と自治体の財政力の分析から、市町村の財政が苦しい都道府県ほど、子供の貧困に対する支援が十分ではないと指摘。鳫教授は「市町村が主体となる就学援助制度は地域間格差を生みやすい。大規模災害の発生時に利用することなども踏まえると、より使いやすい制度を考えなければならない」と述べた。

埼玉県川口市立小谷場中学校の事務職員である栁澤(やなぎさわ)靖明氏は、「『PTA役員は就学援助を申請しない方がいい』『申請には校長面談が必要』など、就学援助制度の利用には後ろめたいイメージや誤解がまだある」と実態を報告した。栁澤氏は就学援助制度を解説した「事務だより」の配布や、制度を知ってもらうための教員向け研修の実施など、自身の取り組みを紹介し、「就学援助を『受給する』のではなく、『利用する』という意識に変えていかなければならない。そのためには、制度に精通している学校の事務職員がケースワーカーのように関わっていく必要がある」と提言した。

勉強会に参加した元文科相の馳浩衆院議員は「幼児教育の無償化や高等教育の負担軽減策、高校の就学支援金制度が進む中、義務教育段階の就学援助制度の地域間格差や使い勝手の悪さなど、課題を洗い出し、政府として必要な対応をしていくべきだ」と述べ、超党派の「子どもの貧困対策推進議員連盟」として制度の改善策を検討していく意向を示した。

就学援助制度は生活保護を受けている世帯やそれに準じた世帯を対象に、小中学生の子供の学用品費や通学費、修学旅行費、学校給食費、クラブ活動費などを補助する制度。2016年度には全国で約143万人が利用し、児童生徒当たりの援助率は約15%を占めている。