日本語指導で教員の資質能力を向上 検討チームが対応策

新たな在留資格「特定技能」の設置など外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法が今年4月に施行されたことを受け、文科省の「外国人の受入れ・共生のための教育推進検討チーム」は6月17日、第8回会合を開き、今後増加が予想される外国人児童・生徒への教育の充実などを盛り込んだ報告を取りまとめた。重点的に取り込む事項として▽外国人児童生徒などへの教育の充実▽外国人に対する日本語教育の充実▽留学生の国内就職促進・在籍管理の徹底――の3点を掲げた。

会合で報告の意義を説明する浮島文科副大臣

検討チームの座長を勤める浮島智子文科副大臣は、同日開かれた会合であいさつに立ち、「日本人と外国人が共に生きる社会の実現に必要なアクションを取りまとめた。外国人児童生徒への教育の充実は、新しい時代の初等中等教育を考える上で重要なテーマ。中教審でも議論を重ねたい」と、報告の意義を説明した。

報告の中で初等中等教育の在り方を示したのが、外国人児童生徒などへの教育への充実で、①学校でのきめ細やかな指導体制の充実②地域との連携・協働を通じた教育機会の確保と共生――の2本柱を設定した。

このうち、学校の指導体制については、▽多言語翻訳システムや遠隔教育を活用し、日本語指導できる教員や支援員を充実させる▽日本語指導者派遣の仕組みを構築したり、研修機会を確保したりして教員の資質能力を向上させる▽高校入試で外国人生徒への特別な配慮を促進するなど、進学やキャリア支援の充実▽特別支援学校などにも日本語指導補助者を配置するなど、障害のある外国人の子供への支援――に取り組むとした。

次に、地域との連携・協働については▽全国調査の実施により、外国人の子供の就学状況を把握し、就学促進に向けた支援を行う▽夜間中学を全ての都道府県・政令市に設置するよう促進し、日本語指導などの教育活動を充実させる▽母国・母文化を尊重しつつ、日本語・日本文化の理解を促進し、異文化理解に基づく教育を充実させる――などを挙げた。

外国人に対する日本語教育の充実では▽国や地方公共団体の地域日本語教育の体制整備や日本語学習ICT教材の対応言語の拡大により、日本語教育の機会を確保する▽日本語教師の資格化など、教師の質の向上▽日本語教育機関の質の向上――に取り組むとした。

留学生の国内就職促進・在籍管理の徹底では▽外国人留学生の就職を促進するプログラムの認定▽留学生の在籍管理の適正を欠く大学などに対して、在留資格の厳格化の実施――などを挙げた。外国人留学生をめぐっては、東京福祉大学で3年間に留学生1610人が所在不明になるなど、適正な在籍管理が課題になっている。