教員向け「教育の情報化」の手引き 文科省が骨子案

識者による「教育の情報化に関する手引」作成検討会の第2回会合を開き、学校や教育委員会が具体的に取り組む際のノウハウをまとめた手引きの骨子案を提示した。小中高の段階に応じたプログラミング教育の指導例や、ICTを活用した学習過程を教科別に明示するなど実践的な教員向けガイドブックを目指すと同時に、ICTに必要な機器やインフラなどを整備する際、自治体の予算作りの指針となる内容が盛り込まれた。

意見交換する有識者ら。中央は座長の堀田龍也・東北大学大学院教授

骨子案は全8章から成り立っており、まず、第1章で学習指導要領における教育の情報化の位置付けと、特別支援教育における教育の情報化の意義を明示した。第2章では、「学習の基盤となる資質・能力」と位置づけられている情報活用能力の育成について、児童生徒が身に付けるべき能力や学習活動を具体的に明示し、育成に必要なカリキュラム・マネジメントについて事例を挙げながら説明した。

第3章では、プログラム教育について、技術的な内容だけではなく、プログラミング的思考を育み、コンピューターを活用して社会的な問題解決しようとする態度の育成や、各教科で深い学びに生かしていくことに狙いがあることを示し、具体的な指導例を盛り込んだ。第4章では、各教科の指導におけるICT活用の効果を明示し、教科ごとに学習場面に応じたICT活用の方策を盛り込んだ。

第5章は、教員に求められるICTを活用した指導力を取り上げ、教員養成や免許状更新講習、研修などを通じて、チェックリストを使いながら教員の指導力を高めていくよう求めた。第6章は校務の情報化推進として、統合型校務支援システムの導入を促した。

第7章では、学校におけるICT環境の整備をめぐり、必要な機器やインフラ、それに関わる財政措置について説明。遠隔教育の推進やAIドリルなど先端技術の導入など、今後の方向性も示している。第8章では、情報教育の推進体制として教委や学校管理者の役割、ICT支援員など外部人材の登用などを取り上げている。

席上、座長の堀田龍也・東北大学大学院教授は「取り上げるべきところは、だいたい網羅されている。しかし、それぞれの項目の強弱がこれでいいのか。イラストなどの読みやすさの工夫も必要だ」と指摘した。

出席者からは「ICT教育を誰が教えるのか、という議論がいまだにある。ICTは全ての教科に溶け込んでいて、誰かが教えるというものではないのだが、そのイメージが共有されていない」「プログラミング教育は、まだまだ誤解されている。プログラミングできる子供を育てることだと思われている」「情報の授業は、子供が楽しくて、もう1時間やりたくなるようにすることが大切だ。柔軟なプログラムを認めないといけない」といった意見が出された。

文科省では、検討会を通じて有識者の意見などを反映させ、9月下旬に手引きを公表することを目指している。