学校・教育総合展(EDIX)開幕 ICT化などテーマ

「学校・教育総合展(EDIX)」(リードエグジビションジャパン主催)が6月19日、都内で始まった。21日まで。初日の19日は、働き方改革やICT化の推進など学校現場が直面するさまざまな課題をテーマに、講演やパネルディスカッションが実施された。

「ICT教育アワード」受賞自治体によるパネルディスカッション

ワーク・ライフバランスの小室淑恵代表取締役は「教員の働き方改革の必要性と取り組み方」と題して講演。これまで安倍内閣産業競争力会議民間議員や文科省中教審委員を歴任しており、企業などと異なる学校の働き方改革ならではの特徴を「コンサルタントや大学教授といったサポーターが発案したり指示したりしても、ほとんど効果が上がらない。教員が自発的に出した案に沿って進める必要がある」と指摘。

また、「学校や市教委が単独で進めようとしても、抜本的な案につながらない」と述べ、「県教委などが推進役となり、学校や市教委が定期的に集まって進ちょくを報告し合うようにすると、互いにまねし合い、競い合うようになって進展する」と語った。

パネルディスカッションでは、全国ICT教育首長協議会が主催する「ICT教育アワード」で文科大臣賞や総務大臣賞などを受賞した自治体が、ICT環境の整備と活用について語り合った。

2018年度文科大臣賞を受賞した長野県喬木(たかぎ)村の丸山貢弘教育長は「ICT化推進の背景には、小規模校の統廃合を巡る議論があった」と明かし、「『地域の活力として存続させたい』と望む住民に対し、行政は『小規模校では多様な考えに触れる機会が持てなくなる』と危惧。対策として、ICTを活用した遠隔合同授業の導入を決めた」と説明。

「文科省事業への積極的な参加やふるさと納税の活用で、機器の整備と人的サポート体制の充実を進めた」と話し、「18年度にはICT推進担当者を1校に1人常勤とし、教員免許を有する人材を正規職員として、教育効果の向上につなげることができた」と語った。

18年度総務大臣賞を受賞した熊本県山江村の藤本誠一教育長は「過疎の村が生き残るためには、教育や子育て支援への投資が重要だ」と述べ、「ICT環境の整備で移住・定住を促進できた。総務大臣賞受賞のポイントになったので」と振り返った。

「予算が限られている中、10年構想を立て、教員のニーズに応じて年度ごとに計画的な導入をした。急速に進めなかったことが、教員の指導力を段階的に向上させることにつながった」と語り、「今では家庭学習用も含めてタブレットが0.75人に1台(3人に4台)あるなど、ICTがあるのは当たり前になった。さらに一段上へ行きたい」と強調。

AIを活用して全ての児童・生徒に発語させる英語学習や、シンガポールの提携校への中学生派遣など、グローバル人材の育成を進めていると話し、「教員のテレワークも進んでおり、1カ月の労働時間が小学校では10時間、中学校では22時間削減された」と効果を述べた。

進行を務めた信州大学教育学部の東原義訓教授は「ICTは地域と家庭の活性化にも大きく貢献する」とまとめた上で、「全国ICT教育首長協議会では、県などの垣根を越えた共同調達で、大量購入によるコストダウンが図れると考えている」とコメント。

「今後も地域社会が一体となった先進的な事例を発信し、ICTの全国一斉普及を進めていきたい」と締めくくった。