【TALIS2018】多文化に対応した指導 日本最低

日本の教員は、多文化を意識した指導が世界的に大きく遅れている――。経済協力開発機構(OECD)が6月19日に公表した、2018年の国際教員指導環境調査(TALIS)の結果では、そうした実態も浮き彫りになった。

多文化的な学級における教員の自己効力感

日本は中学校教員を対象にした、「文化的に多様な学級の指導」に関する自己効力感の全項目で、参加国中最低だった。改正入管法の施行によって外国人児童生徒の増加が予想される中、教員の対応の遅れが垣間見える結果となった。

TALISによると、日本の中学校で母語が日本語でない生徒が1割を超える学級を指導する教員は2.0%(参加国平均21.9%)、「移民の生徒、または移民の背景を持つ生徒」が1割を超える学級で指導するのは0.9%(同15.3%)で、参加国平均を大きく下回った。

小学校でも、日本語が母語でなかったり、移民の背景を持っていたりする児童がいる学校で指導する教員は、他国と比べて少なかった。

日本の中学校教員が「文化的に多様な学級」を指導する上で「かなりできている」または「非常に良くできている」と回答した項目をみると、▽多文化的な学級での難題に対処する 16.6%(参加国平均67.9%)▽指導を生徒の文化的な多様性に適応させる 19.7%(同62.7%)▽移民の背景を持つ生徒と持たない生徒が共に活動できるようにする 27.8%(同67.9%)▽生徒間の文化的な違いへの意識を高める 32.5%(同70.2%)▽生徒間の民族に対する固定観念を減らす 29.8%(同73.8%)――と、全項目で参加国中最低、平均と比べても顕著に低く、日本の教員は文化的に多様な学級での指導に自信がないことがうかがえる結果となった。

また、日本の中学校での文化的な多様性に関する取り組みについて、教員と校長の意識差をみると、例えば「民族的、文化的な差別にどう取り組むかを生徒に教える」ことを学校で実践しているかという問いに「はい」と回答した教員は51.9%であるのに対し、校長は73.6%と認識に開きがあるものもあった。

多文化または多言語環境における指導について、授業の準備で日本の教員が「非常に良くできた」「できた」と回答した割合は中学校で10.9%、小学校で13.1%と他国と比べて低い傾向にあった。

また、職能開発でも過去12カ月間に多文化または多言語環境における指導を含む内容の職能開発を受けたのは、中学校で12.9%、小学校で24.8%にとどまった。