【鈴木寛教授】AIが解けない難問に向き合う日本人育む

元文科副大臣で、東京大学と慶応義塾大学の鈴木寛教授が6月21日、「AI時代の教育~今、求められる小・中・高校・大学の教育改革~」をテーマに、教員など教育関係者に向けて講演を行った。現在の教育改革について「22世紀を生きていく子供たちがどのような人生を歩んでいくかに大きく関わる。新しい日本人をつくる心持ちで取り組まなければならない」と話した。

AI時代を見据えた教育改革について語る鈴木教授

鈴木氏はOECD(経済協力開発機構)が調査した、世界各国の15歳の学力データを紹介。国内の子供の学力が一時期よりも回復しており、チームで課題解決に取り組む「協同問題解決能力」がトップクラスであることを指摘。「日本の15歳たちは金の卵。彼らの能力を、高校や大学でどのように伸ばしていけるのかが秘訣(ひけつ)だ」と述べた。

さらに「AIやVRを使いこなせる力」と「AIに解けない難問に向き合い続ける力」を育むことが重要だと強調。AIに解決できないこととして▽意思決定するもの▽感覚・感性を問うもの▽過去にない新たな価値を創出するもの▽責任をとるもの――などと整理し、「新たなものを生み出したり、想定外の問題や修羅場を乗り越えたりすることは人間にしかできない。その力をつけるためにPBLやアクティブラーニングがさらに重要になる」と力を込めた。

これからの社会について、変動性(Volatility)、不確実性(Uncertainty)、複雑性(Complexity)、曖昧性(Ambiguity)の頭文字を取った「VUCA」の時代が到来すると説明し、「脱、指示待ち人間。マニュアルに頼りすぎず、ミスを恐れず、率先者になれる人間を輩出する教育を実現しなければならない」と呼び掛けた。

講演はリードエグジビションジャパンが主催する教育イベント「学校・教育総合展(EDIX)」内で実施された。