「市民科」「シチズンシップ教育」 主権者教育の先進例聞く

学校現場での主権者教育の在り方を議論している、文科省の主権者教育推進会議は6月24日、第6回会合を開き、小、中、高校の各段階における主権者教育で、先進的な取り組みをしている自治体からヒアリングを実施した。東京都品川区の「市民科」と、神奈川県が主に県立高校を対象に実施している「シチズンシップ教育」について、主権者教育の視点から検討した。
主権者教育の先進自治体からヒアリングを実施した主権者教育推進会議
小中一貫教育に取り組む東京都品川区では、2006年度以降、小学校1年生~中学校3年生までの各学年で週2~3時間、「市民科」を教育課程に位置付け、地域に対する課題意識を持ち、実践する力を育てている。「市民科」の教科書も作成し、9年間を通じて、発達段階に応じた授業展開を実現している。 区内の学校では、子供に主体性を持たせるため、目標に応じてその年の学校にどの委員会が必要か議論して決めさせたり、大学と連携し、立候補者の選挙公約と自分の考えを検討した上で模擬選挙に投票したりする活動をしている。 取り組みを報告した品川区教委教育総合支援センターの大関浩仁センター長は「子供たち自身が、自分の住む町をより良くするためにどうしていくか、当事者意識を育みたい。生徒会活動や中学卒業後の進路に役立てることが狙いだ」と説明した。 神奈川県では、11年度から全県立高校で「シチズンシップ教育」に取り組み、3年ごとの参院選に合わせて、各学校で生徒が模擬投票を体験できるようにしている。今年の参院選からは、新たに特別支援学校高等部でも模擬投票を行う。 同県は、新学習指導要領で公民科の新科目として「公共」が実施されるのを受け、教育課程開発校を指定。「公共」における主権者教育のカリキュラム開発を進めている。また、本年度中に「シチズンシップ教育」の指導用参考資料の改訂を予定している。 同県教委指導部高校教育課の濱田啓太郎課長は「主権者教育では、学校における学びを現実の物事に近づけた実践が求められる。模擬選挙は一過性のイベントで終わらせるのではなく、模擬選挙と実際の選挙の結果を比較して考察するなど、事前・事後の指導が重要だ」と述べた。 出席者からは「中学校卒業後、高校との連携をどうしていくかが課題だ」「これらの取り組みの効果や成果をどう測定していくべきか」などの意見が出た。