自作のイラストをデジタル化 小学生が著作権を学ぶ授業

児童がイラストをデジタル化する作業を通じて、知的財産権の意識を高める授業実践が6月25日、東京都千代田区の白百合学園小学校(根本徳子校長、児童705人)で行われた。児童らはプレゼンテーションソフトを使って自分で描いたイラストをデジタル化し、創作の大変さや作者の気持ちを尊重して著作物を利用することを学んだ。

自作イラストのデジタル化に挑戦する児童

授業は小学校6年生の「総合的な学習の時間」の2時間を使用し、白百合学園中学高校で情報科を担当する森棟(もりむね)隆一教諭が指導に当たった。

森棟教諭は、あらかじめ児童らが図画工作の課題で制作した「一筆書きでつくったイラスト」をコンピューターに読み込んでおき、児童らがプレゼンテーションソフトウエアの図形ツールや曲線ツールを駆使して、イラストの輪郭を丁寧にトレースしたり、図形の組み合わせを工夫するなどして、イラストの模様やパーツを配置したりしていった。完成した作品は、シールにして児童に配布するという。

おおむねイラストが出来上がると、児童らに有名なキャラクターの著作権を侵害した事例を見せながら説明。

著作者の権利を守る大切さを考えさせ、「皆さんが描いたイラストは皆さんそれぞれに著作権があります。今後、皆さんが世の中に創作したものを発信したり、誰かがつくった作品を使ったりすることが増えるでしょう。そのときに、作り手の気持ちを尊重できるようなクリエイターになってください」と呼び掛けた。

森棟教諭は「実際に創作物をつくる大変さを体験させてから、知的財産権の重要性を話すことで、児童らの意識は高まる。著作権は中学校以降で詳しく学習するが、小学校段階では、著作者人格権を中心に説明していくと、中学生になって他人の著作物を利用するときに、安易なコピーをしないようにするなど、著作権に気を付けるようになる」と話した。