ICT機器導入でモデル例 先端技術の活用で文科省方針

学校のICT環境整備や教育ビッグデータの活用の推進に向けて、文科省は6月25日、「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策」の最終まとめを公表した。学習指導要領の内容をコード化するなどして、教育データの標準化を進めるほか、学校におけるICT環境の安価な整備を促進するため、ICT機器やネットワーク環境などのモデル例を示した。合わせて同省は柴山昌彦文科相を本部長とする「先端技術・教育ビッグデータ利活用推進本部」を省内に設置し、同日、初会合を開いた。

「先端技術・教育ビッグデータ利活用推進本部」の初会合で発言する柴山文科相

最終まとめでは、学校において先端技術を活用した教育を展開していく上での課題として、ICT環境の整備に地域間格差があり、市場価格と比べて導入コストが高いことや、学習履歴などの教育データを収集していても、サービス提供者や使用者によって規格が異なり、共有や比較が十分にできていない現状があると指摘した。

それらの課題の解消に向けて、ハード面の整備では、個人で端末を購入し、それを利用するBYODを含めた安価なICT機器、ネットワーク環境の整備を進めるため、学校の教育活動に必要な機能や性能をまとめたモデル例を提示。合わせて文科省では、今年度中に世界最先端のICT環境の実現に向けたロードマップを策定する。

また、従来、学校のネットワークは校務系と学習系に分離して管理していたが、今後はクラウドの活用を前提とし、「教育情報セキュリティーポリシーに関するガイドライン」を早期に改訂する。

教育ビッグデータの効果的な活用に向けては、子供の属性や評定、出欠、健康診断の結果などの校務系データと、デジタル教材の利用状況や協働学習の発話回数などの学習履歴データについて、規格を定めて標準化を図る。学習指導要領の内容・単元にもコードを付す。これにより、教科書や全国学力調査、民間の学習教材などで学習データの分析や評価などに利用できるようにする。文科省では、教育データの標準化について、内容や技術的な課題を民間企業や有識者と検討し、20年度中に一定の結論を出す方針。

学習者用端末の機能に関するモデル例

さらに、文科省では、最終まとめで示した考え方や発達段階に応じた先端技術の効果的な活用方法を踏まえ、20年度をめどに「学校現場における先端技術利活用ガイドライン」を策定する。

6月25日に開かれた「先端技術・教育ビッグデータ利活用推進本部」の初会合で柴山文科相は「今後到来するSociety5.0時代において、これからの子供たちの能力を伸張していくと共に、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化された学びを実現していくためには、ICTを基盤とした先端技術やそこから得られる教育ビッグデータの効果的な活用に大きな可能性がある。学校や教師を支え、世界最先端の教育を実現するために、文科省を挙げて、今回の最終まとめを実効性のあるものにしていかなければならない」と意欲を示した。