高校生ら当事者から聴取 子供の貧困対策有識者会議

子供の貧困対策に関する大綱の改定に向けた議論をしている、内閣府の子供の貧困対策に関する有識者会議は6月25日、第13回会合を開き、次の大綱に盛り込むべき子供の貧困対策の指標について検討した。また、改正子供の貧困対策推進法の成立を受け、離婚後に1人で子育てしている母親や、児童養護施設で暮らす高校生など当事者から現状を聴取した。出席者からは、18歳以降の支援や貧困率の継続把握の必要性を求める意見が挙がった。

有識者会議で発言する宮腰光寛内閣府特命担当相

現在の子供の貧困対策大綱では、生活保護世帯やひとり親家庭、児童養護施設の子供の進学率、スクールカウンセラーの配置率など、25の指標が定められている。

出席した委員からは追加すべき指標として「子供が自立した後に貧困状態に陥っていないかを捉えるため、相対的貧困率に18~24歳までの若者の貧困率を追加すべきだ」「朝食欠食率は子供の健康状態に直結する」などの提案があった。

一方、大綱から削除すべき指標として、「子供の就職率は貧困状態にある子供の進学を阻害するメッセージとなりかねない」「日本学生支援機構の奨学金の貸与者割合はすでに100%を達成している上に、給付型奨学金制度も始まるので、見直すべきだ」などの意見が出た。

会議に出席した宮腰光寛内閣府特命担当相は「改正子供の貧困対策推進法では、子供の貧困対策計画の策定を市町村に努力義務として課した。子供の貧困対策は市町村の協力なくしてスムーズに行うことはできない。指標を作る際には、市町村の実態と全国の数値が比較できるようにするなど、市町村にとって意味のあるものにしていく必要がある」と述べた。

有識者会議では議論を踏まえ、次回会合までに具体的な指標候補を示す。

改正子供の貧困対策推進法で、大綱案の作成に貧困状態にある子供や保護者らの声を反映することが明記されたのを受け、この日の会合では一人親や児童養護施設で暮らす高校生が出席し、意見を述べた。

夫と離婚後、2人の子供を養育しながら学校や塾の英語教師として働き、昨年から病気により貯金を切り崩しながら生活しているという女性は「子供の1人はスポーツがしたくて私立高校に通っているが、生活は楽ではないので、さまざまな奨学金を申請している。それらの存在はありがたいが、常に情報にアンテナを張っていたり、必要な書類をそろえたりすることは、親に精神的な余裕がないと難しい」と話した。

3歳から児童養護施設で暮らしている高校生は「児童養護施設に通っている子供は高校に進学しなかったり、進学しても中退してしまったりする場合が多い。高卒後も就職が当たり前で、大学への進学はまだ少ない。高校ではほとんどの子供がアルバイトをするので勉強する時間がない。そのアルバイト代もスマートフォン代に消えてしまう。新しい修学支援制度はありがたいが、大学を卒業して社会に出た後も不安がある。今の状況ではどうしようもない。少しでも改善してほしい」と訴えた。