外国人児童生徒の教育拡充 有識者会議、年内に結論

増加する外国人児童生徒への教育を巡り、文科省は6月27日、「外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議」の初会合を開いた。6月に同省が公表した「外国人の受入れ・共生のための教育推進検討チーム」の報告書などを踏まえ、日本語指導をはじめとする外国人児童生徒に関する具体的な教育支援策について、年内をめどに報告をまとめる。

外国人児童生徒への教育充実策の議論をスタートした有識者会議

文科省の「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」によれば、2016年度に日本語指導が必要な児童生徒は、日本国籍の児童生徒を含め4万3947人に上り、10年間で1.7倍に増加。公立小学校、中学校、高校などに日本語指導が必要な児童生徒が在籍する市町村は53.6%で、過半数を占めた。

改正入管法の施行により、今後、全国的に外国人児童生徒が増加することが予想され、学校における教育の受け皿が課題となっている。

有識者会議では、外国人児童生徒の教育を充実させるため、外国人が多い地域での公立学校の日本語指導体制確立や、教員の指導力向上、外国人児童生徒の就学・進学機会の確保、関係機関などとの連携方策などを議論する。

特に公立学校では、来日して間もない児童生徒に対する初期集中支援の在り方をはじめ、支援が必要な児童生徒に対して個別の指導計画を作成し、日本語指導や教科の補習を受ける「特別の教育課程」の普及、多言語翻訳システムや遠隔教育といったICTの活用について検討する。

この他に、就学前教育の支援や高校進学の促進、障害のある児童生徒への対応などが検討事項に挙がった。

出席した委員からは「自治体によって意識や取り組みに差がある。外国人が多く住む地域だけでなく、あらゆる自治体で全ての子供に同じ教育環境を提供していく仕組みを整える必要がある」「言語発達の重要な時期に当たる乳幼児期の支援も重要だ」「現状では、日本語指導に当たる教員の専門性が十分ではない。外国人児童生徒の母語が多様化しており、多言語への対応に迫られているが、人材を確保できていない」「日本語指導のプログラムを持つ大学もあるが、せっかくそのプログラムを受講しても、習得した日本語指導のスキルを生かせる就職先がない。『日本語教員』の教員免許をつくり、公立学校で教えられるようにするのが理想だ」などの意見が出た。

有識者会議座長の佐藤郡衛明治大学教授は「外国人児童生徒の支援は、これまで義務教育段階を中心に進めてきたが、就学前や高校卒業後も視野に、体系的な指導をしていかなければならない。そのためには外国人児童生徒のための指導指針を整備すべきだ。日本語指導者の養成では、ハードルは高いが、最終的には日本語指導を専門とする教員免許資格が必要だと考える」と述べた。

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