【教科担任制】年末までに導入の方向性提示へ 中教審

初等中等教育の課題を横断的に議論するために中教審が新設した「新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会」の初会合が6月27日、東京都千代田区の都道府県会館で開かれ、今後の審議の進め方とスケジュールが了承された。教科担任制の導入など義務教育の在り方と、教師の在り方や教育環境の整備について論点をとりまとめ、2019年末ごろまでに検討の方向性を提示する。高校教育や外国人児童生徒への教育については、ワーキンググループや有識者会議で別途検討を進めることになった。

「新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会」の初会合で意見を述べる委員ら

今年4月に柴山昌彦文科相が中教審に諮問した内容は、①小学校高学年での教科担任制の導入や授業時間の見直しなど、新時代に対応した義務教育の在り方②普通科改革やSTEAM教育の推進など、新時代に対応した高校教育の在り方③増加する外国人児童生徒への教育の在り方④教科担任制に対応した教職員配置や教員免許制度の見直しや、ICT環境や先端技術の活用など教師の在り方や教育環境の整備――の四項目。内容が多岐にわたっている上、それぞれの項目が関連し合っていることから、横断的な議論をするために特別部会が設置された。

この日の会合ではまず、特別部会の部会長に大谷大学文学部の荒瀬克己教授を選任した。その上で文科省が今後の審議の進め方として、義務教育の在り方と教師の在り方や教育環境の整備を優先させ、2019年末までに論点を取りまとめるスケジュール案を提起し、了承された。2020年1月以降は、論点の取りまとめに示された方向性に沿って、特別部会、教育課程部会、教員養成部会で具体策を検討する。

高校教育の在り方については、特別部会の下にワーキンググループを設置し、普通科改革や定時制・通信制課程の在り方を検討する。外国人児童生徒への教育については、文科省に設置した有識者会議で検討する。いずれも2019年中に報告を取りまとめる。

続いて、委員によるフリートーキングが行われた。

茨城県つくば市の学校長は小中一貫校で小学5年生から教科担任制を導入した事例をあげ、「教科担任制は教員の専門性が発揮できるだけではなく、子供の心も安定する。学級担任の教員と相性が良くない児童でも、教科担任にいろいろな相談ができる。教員が子供と向き合うためにも、良い制度だ」との成果を報告した。

教員の働き方改革については、ある委員からは「今回の諮問内容では、教員の質の向上が求められているが、教員の定数についてはあまり積極的に言及されていない印象だ。現在の教員定数は、もともと業務量を確定して決められたものではなく、仕事が増えても現行スタッフの人数で工夫して対応してきただけだ。だから、児童数の減少に合わせて教員定数を減らすと、現場の負担は大変なことになる。きちんと教員のジョブを明確にして、定数の算定をやり直さなければ、新学習指導要領を完全実施することはできない」と厳しい指摘が出された。

また、経済界出身の委員からは「諮問が想定している外部人材の登用は、ICT専門家による支援要員だけに限っているようにみえる。企業の人材も含めて、もっと広範囲で外部の人材を活用すべきだ」との意見が出た。

これに関連して、県立高校の校長からは「新学習指導要領が求めるように、探求できる人材を育成するならば、企業から常時人材が学校に来られるような環境が必要だ。同時に、これまで多くの教員がやってきたことはAIで代替されてしまう。AI時代に対応し、探求する人材を育てるために、どのような教員を養成するべきなのか、具体的に示していく必要がある」と指摘が出された。