「学校は批判的に見られている」 学校事故テーマに

「学校事故の危機管理」と題したワークショップ(日本女子大学教職教育開発センター主催)が6月29日、都内で開催された。教員ら約50人が参加。学校で起こる可能性があるさまざまな事故の危険について、実際の事例や判例を踏まえた講義とグループ協議があった。

講義する日本女子大学教職教育開発センターの坂田仰教授

同センターの坂田仰教授は講義冒頭で、学校の訴訟リスクについて説明。リスクが高い事柄を校種別に見ると、高校が部活動、中学校がいじめ、小学校が授業中の事故、幼稚園が登下校だとして、「これまでになかった事件・事故が次々と起きている。経験主義は限界に来ている」と強調。

昨年7月に愛知県豊田市立小学校で校外学習後に、1年生の男子児童が熱中症死した事案を巡り、校長が「校外学習ではこれまで大きな問題は起きていなかった」と語ったことを取り上げ、「今後求められるのは、経験よりも科学的根拠やガイドラインに基づく判断だ」と語った。

また、昨年3月に最高裁判決が出た小学5年生の溺水死亡事故に触れ、「臨海学校での水泳だったが、教員の多くが陸に残ったままで、養護教諭も海上の船に乗っていなかったことなどが、救命措置の遅れにつながった」と指摘し、「監視・救助体制が不十分だったと判断され、損害賠償が命じられた」と説明。

「ガイドラインを順守していれば勝訴の可能性は高い」と述べ、「この小学校は私立で、校長にも賠償命令が出された。私立学校の場合は、公立と異なり教員個人にも損害賠償義務があることを知っておいてほしい」と補足した。

ワークショップでは、淑徳大学総合福祉学部の黒川雅子教授が、学校におけるさまざまな「最悪の事態を想像してみる」課題を提示。演習では、死亡事故が起きたと想定して、問題点や対策について参加教員が意見交換した。

黒川教授は「学校教員は基本的に他者に優しいが、保護者や地域などは学校を批判的な目で見る時代になっている。学校や他の教員に対し、互いにチェックし合いながら改善に取り組んでほしい」と訴えた。