スマホの持ち込みどうする? 4校が先行事例報告

学校へのスマホの持ち込みについて議論している文科省の有識者会議は7月3日、第3回会合を同省で開催した。すでに持ち込みを許可している4校が、効果と課題を報告。災害時や登下校時の児童生徒の安全確保に効果的な一方、管理体制についての課題が指摘された。

4校の先行事例が報告された有識者会議

報告したのは▽東京都立向丘高校▽私立須磨学園中・高校(兵庫県)▽私立金蘭千里中・高校(大阪府)▽私立富士見丘中学高校(東京都)――の4校。

都のBYOD研究指定校である都立向丘高校は、生徒個人のスマホを授業中に活用する事例を紹介した。

例えば、授業の導入・まとめ部分で、専用のアプリを使用。生徒それぞれがスマホから授業の目標や振り返りを入力し、リアルタイムで課題や理解度をクラスで共有する。

須磨学園中・高校は、「制携帯」と名づけた学校仕様のスマホ端末を生徒に支給するモデルを報告した。

フィルタリングやアプリのインストール制限など指定の管理機能を組み込み、学園のサーバーを経由しログを記録する仕組み。保護者への緊急連絡やコミュニケーションツールとして利用価値が高い一方で、専属スタッフ3人体制で環境整備にあたるなど、維持管理に手間がかかる点にも触れた。

大阪北部地震をきっかけに持ち込みを許可した私立金蘭千里中・高校は、管理面の課題を指摘。

現状は1クラス分のスマホを専用のバッグで集め、職員室で管理する。40台を保管可能なバッグで1個あたり定価3万5千円と高価な点や、盗難される可能性などを課題として挙げた。

2000年から携帯電話の持ち込みを許可している富士見丘中学高校は、教育活動において悪影響を及ぼす事例はなかったと報告。

同校の吉田晋校長は「私立学校は、保護者が各校の方針に比較的理解が高く協力的。さまざまな環境の児童生徒がいる公立学校で、スムーズに実施するのは難しいと感じる」と指摘した。

それについて都立向丘高校の加藤孝行校長は「特に公立では、学校の実態によって柔軟な対応が求められる。ただ、これからの社会を生きる全ての児童生徒に、情報スキルを身につけさせることを大前提として考えなければならない」と述べた。