【参院選2019】トランプ「大富豪」で高3に主権者教育

第25回参院選の実施に合わせ、18歳になると選挙権が与えられる高校3年生を対象にした主権者教育の授業が7月5日、東京都立高島高校(加藤正和校長、生徒946人)で行われた。若者向けに政治に関する情報発信を行う「POTETO Media」の古井康介代表がゲストティーチャーとなり、トランプの「大富豪」を通して、生徒らに政治に関わる重要性を考えさせた。

トランプの「大富豪」をしながら、政治への関心を高める生徒ら

授業は3年生で選択必修となっている「政治・経済」の1時間を使って行われた。まず古井代表は、2分間で日本政府の省の名前をできるだけ多く答えさせる課題を生徒に出した。

その後、6~7人のグループになり、トランプのゲームである「大富豪」を行った。

ゲームを始める前に、グループの中で一番多く省の名前を答えることができた人と、一番少なかった人で4枚ずつ、2番目に多く答えられた人と2番目に少なく答えられた人で3枚ずつ、それぞれ手札を交換。

通常のルールより多くの手札を交換したため、大半のグループでは、テストの成績が良かった人が早めに手札を使い切って上がることができ、テストの成績が悪かった人には不利な結果となった。

この結果を踏まえ、古井代表は、トランプのゲームだけでなく、身近な社会でも同じようなことが起きていると問題提起。学歴の違いによる収入の差や、保護者の経済力と子供の学力の相関などをグラフで示した。

その上で「格差や貧困の連鎖を何とかしようと、実はすでに行政はさまざまな支援策を行っている」と説明。その一例として来年4月から始まる給付型奨学金制度などを紹介し、「こうしたさまざまなルールをどう作ればいいのか。私たちはその議論をする人を選挙で選んでいる」と強調した。

「政治を使いこなす」大切さを話すPOTETO Mediaの古井代表

最後に、POTETO Mediaが開発中の「政治検定」の試作問題を出し、答えをグループで話し合わせた。生徒らは「幼児教育は無償化になったのか」「投票券はもう家に届いているのかな」など、参院選への関心を高めていた。

古井代表は「人生の中でアンフェアなことはたくさんある。それをできるだけベターにしていく手段が政治だ。政治を使いこなせるようになってほしい」と呼び掛け、授業を終えた。

同校で「政治・経済」を担当し、教育新聞で『18歳になる前に―考え、関わる社会の問題』を連載した大畑方人教諭は「生の政治を主権者教育で扱うときは、生徒の知識にばらつきがあることを想定しておく必要がある。教材のレベルをどこに設定するか、教師の見極めが重要になる」と話した。


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