主体的な学びの評価にICEモデル 授業研究会で提案

主体的な学びを、どのように評価すればいいのか――。東京都高等学校アクティブ・ラーニング型授業研究会が主催する講演会が7月6日、東京都立江北高校で開かれ、京都情報大学院大学副学長の土持ゲーリー法一教授が「ICEモデル」によるアクティブ・ラーニング(AL)の学習評価法を提案した。講演会には、高校教員ら約60人が参加した。

ICEモデルの有効性を講義する土持教授

土持教授はまず、日本ではALを授業に採り入れていても、その多くは教員主導型の活動になっており、生徒が自分の頭で考えていないと指摘。

その上で土持教授は「これまでは学習は生徒が、評価は教師がやるものと分かれていた。しかし、ALによる学習評価は点数によって学力を測るテストではなく、教師と生徒のやり取りを繰り返すアセスメントが主体になる」と話し、学習と評価の一体化は、ICEモデルによって実現できると強調した。

ICEモデルとは、Idea(アイデア、知識)、Connection(つながり、理解)、Extension (応用)の三つの領域を連動させ、学びについて量的評価だけでなく、質的評価も可能にすることを目指した考え方。三つの領域は階層構造ではなく、どの領域を導入としてもよい。

土持教授は「私の大学の授業では、Connectionから入ることが多い。学びとは知識を関連付けることだ。知識がつながらなければ深い学びにはならない。そして、Connectionには『質問をすること』が効果的だ」とアドバイスした。

学習評価に関しては、ICEモデルでは、ルーブリックを発展させたICEルーブリックを用いる。到達度を記述した評価規準を作成し、縦軸で観点、横軸で到達段階を示した表に整理するルーブリックに対し、ICEルーブリックでは、横軸に三つの領域を置いて、評価規準を作成する。その上で、ICEモデルでは、生徒の学びを象徴する複数の動詞を活用し、ICEルーブリックと照らし合わせながら領域ごとに学習を評価する。

土持教授は「ICEモデルでは動詞が鍵になる。今までの授業は専門知識を教師が伝達するだけで、いわば名詞によって評価をしていた。学習の中で動詞を生徒に使わせたり、選ばせたりすることで、思考が可視化できる」と説明した。