福井教諭自殺で控訴せず 校長の安全配慮義務違反容認

福井県若狭町の町立中学校の新任教諭が2014年に長時間労働による過労が原因で自殺し、父親が損害賠償を求めた訴訟で、校長の安全配慮義務違反を認定し、約6540万円の支払いを命じた福井地裁判決を受け、福井県と若狭町は7月12日、控訴しない方針を明らかにした。賠償金は若狭町が全額負担する。

福井県の杉本達治知事は同日、「判決内容を精査し、若狭町と協議した結果、司法の判断を受け入れることにした。『福井県学校業務改善方針』に基づき、教員の労働環境の改善にさらに努めていきたい」とのコメントを発表し、校長の安全配慮義務違反を認定した判決を容認することを明らかにした。

若狭町教育委員会では、今後の対策として校務管理システムの導入による出退勤管理の厳格化や部活動の数を見直すなどして、教員の負担軽減に取り組むとしている。特に新任教諭に対しては、受け持ちの授業時数を少なくし、部活動もできる限り副顧問として携わるようにするなど、長時間労働につながらないようにする。

亡くなった教諭は14年に新採用で町立中学校に赴任。学級担任として授業の準備や野球部の指導、初任者研修などで月120時間以上の時間外勤務を行い、日記の表紙に「疲れました。迷わくをかけてしまいすみません」と書いて同年10月に自殺した。

判決では、「事実上、校長の指揮監督下で強い心理的負荷の伴う業務に極めて長時間従事しており、過重であることは明らか」だったにもかかわらず、業務の量を適切に調整し、勤務時間を軽減する措置などをとらなかったとして、校長の安全配慮義務違反を認定した。