18年度の文部科学白書を公表 災害への対応強化を初特集

文科省は7月16日、2018年度の文部科学白書を公表した。18年度の文部科学行政の施策について網羅するとともに、特集では初めて、激甚化する災害への対応強化を取り上げた。

西日本豪雨で浸水した岡山県倉敷市立箭田(やた)小学校の体育館(18年8月撮影)

第1部で「激甚化する災害への対応強化」と「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」の2テーマを特集。

第2部では、同省が所管する文教施策、科学技術施策の動向について、分野ごとに整理した。また、冒頭では局長級幹部職員が収賄容疑で逮捕、起訴された事案を踏まえ、国民の信頼回復に向けた「文部科学省創生実行計画」について触れた。

特集の「激甚化する災害への対応強化」では、2018年度に起こった大規模災害や異常気象への文科省の対応を紹介。大阪府北部地震で学校のブロック塀が倒壊し、女子児童が死亡した事故や、愛知県豊田市で男子児童が熱中症で死亡した事故などを受け、文科省は学校のブロック塀の安全点検・応急対策やエアコンの設置を進めるため、第1次補正予算で臨時特例交付金を創設した。

また、閣議決定した「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」を受け、学校施設の耐震化を進めるとともに、断水時のトイレや電力、通信設備の整備など、ハードとソフトの両面で学校施設の防災機能強化に取り組む。

防災教育では、新学習指導要領を踏まえ、今年3月に『「生きる力」をはぐくむ学校での安全教育』を改訂。学校が地域の関係機関などと連携、協力し、PDCAサイクルによる学校安全計画の機能強化を図る「セーフティプロモーションスクール」などを参考に、学校安全の組織的な取り組みや外部専門家の活用を推進する。

また、同省は18年10月に実施した組織再編で、文教施設の防災を主な担当とする参事官(施設防災担当)を創設。「文教施設企画部」を「文教施設企画・防災部」に改組した。

この他に、東日本大震災からの復興の象徴として、福島県立ふたば未来学園高校に併設中学校が開校したことや、文化財の防災対策、自然災害の観測技術と予測手法の研究開発などについて触れた。

「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」では、同名の中教審答申の検討背景を整理し、2040年の社会情勢を見据えた大学教育として、数理・データサイエンスの重要性や、学修者本意の教育への転換を打ち出した。また、18歳人口の減少を見据えた大学の適正規模や、運営の在り方についての方向性を示した。