誰も取り残さない教育を 京都市でSDGsのフォーラム

教育に関わるSDGs目標の達成を目指すフォーラムが7月17日、京都市で開催された。主催は京都教育大学で、教員や教員志望の学生ら約180人が参加した。「誰一人取り残さない教育の実現」をテーマに、講演や取り組み報告、意見交換が行われた。

登壇者と参加者の意見交換(京都教育大学の黒田恭史教授提供)

文科省総合教育政策局の小林美陽教育専門官が、「外国人児童生徒の教育に関する現状と施策の動向」をテーマに基調講演。この約10年間で日本語指導を要する外国人の子供が急増し、学校現場は個別の対応に迫られているとして、「まさに待ったなしの現状。専門的な人員や、ICT配備の予算措置を集中的に実施し、課題解決に努めている」と語った。

取り組み報告では、同学教育学部数学科の黒田恭史教授が、多言語による動画配信について説明。外国人児童生徒の算数・数学学習を支援する狙いで、多言語対応の動画コンテンツを約1300本作成したといい、「無料動画サイトで提供しており、全国の自治体でも活用が進んでいる」と紹介した。

同学部美術科の日野陽子准教授は「美術って目で見るもの?」のテーマで報告。視覚障害がある子供が健常者と共に美術作品を鑑賞できるよう、触覚からの情報を加えた「触図」を制作したほか、聴覚からの情報を加えた作品案内を提供していると語った。

同学部発達障害学科の丸山啓史准教授は「障害がある人に生きにくさを感じさせる社会の風潮を問い直したい」として、仲間と過ごす経験を通じた「気持ちの育ち」が重要だと強調。誰もが楽しんで参加できるフットサル大会などを実施し、障害のある人とない人が共に過ごせる場にしていると述べた。

意見交換では会場から多くの挙手があり、「配慮を必要とする人への、国からの支援が不足している」「視覚障害がある人のための美術作品の提供では、健常者も得るものがあるのでは」といった意見が出た。