「いじめを市長に訴えるはがき」 大阪府吹田市が配布へ

大阪府吹田市立小学校の女子児童が受けていたいじめについて、第三者委員会が学校と市教委の対応を「不適切だった」と指摘。同市は7月22日、いじめなどの被害を市長に直接訴えられるはがきを、市立小中学校の全児童生徒に配布すると決め、補正予算案を定例市議会に提出した。ほかにも、いじめの再発防止や早期発見に向け、スクールカウンセラー(SC)やスクールソーシャルワーカー(SSW)の配置などを盛り込んだ。

第三者委によれば、女児は1年生だった2015年秋ごろから17年3月までの約1年半、同級生の男児5人から、いじめを継続的に受けた。

学校生活アンケートに「けられた。殴られた」と記したが、担任は事実確認せず、第三者委は「加害児童の近くに女児の座席を配置するなど、配慮を欠いた行動をして、女児の学校に対する信頼感の低下や、あきらめの気持ちにつながった」「学校全体としていじめ防止および早期発見に取り組もうという意識が欠如していたことを如実に物語るもので、組織的な体制を構築していなかった当時の校長の責任は重い」と批判。

また、女児の保護者が市長に第三者委設置を要望する内容証明郵便を送付したが、設置方針が決まったのは2カ月以上後だったことから、「市教委が検討を怠ったため、設置が大幅に遅れることになった」と指摘した。

後藤市長は7月5日の会見で、「市内の小学校でこのような深刻な事態が起きてしまったことを大変申し訳なく思う」とした上で、「SCやSSWの拡充、支援員の配置、SOSカードの全児童・生徒への配布などの対策を早急に講じていく」と表明。これまでの対応について「教委に任せすぎていた。早い段階でできることがあったと反省している」と述べた。

市教委によると、いじめ対策として提出した補正予算額は約2700万円。はがきは市立小中学校54校に在籍する約3万人の児童・生徒全員を対象に、19年度の夏休み明けから学期ごとに配布する。切手なしで投函(とうかん)できるもので、後藤市長が直接目を通す。

さらに、SC1人をいじめ対応専門として新たに市教委に配置し、いじめが疑われる事案があれば即座に学校に派遣して対応にあたらせる。加えて、すでに配置されていたSSW10人については、学校滞在時間を週3時間20分から6時間40分に倍増する。また、「いじめ対応支援員」3人を新設し、教員をサポートさせる。SCは早ければ10月、支援員は9月から活動を開始する。