数学五輪で日本13位 選手は共通テストの記述式に慎重

英国で開かれた 第60回国際数学オリンピックに出場し、金メダルを含む6個のメダルを獲得し、昨年に引き続き国別順位で13位と健闘した日本代表の高校生が7月23日、文科省を訪れ、柴山昌彦文科相から表彰状が贈られた。日本代表の高校生らは、表敬訪問後、記者団に対し、大学入学共通テストの「数学」の記述式問題について、慎重な見解を示した。

全員がメダルに輝いた日本代表の高校生ら

日本代表は全員がメダルを獲得した。坂本平蔵さん(筑波大学附属高校3年)と兒玉(こだま)太陽さん(海陽中等教育学校6年)が金メダル、平石雄大さん(同校5年)と宿田彩斗さん(開成高校2年)が銀メダル、渡辺直希さん(広島大学附属高校2年)と早川睦海さん(宮崎県立宮崎西高校3年)が銅メダルにそれぞれ輝いた。

将来は数学者になる夢を持つ坂本さんは柴山文科相に、「出題された問題と自分の得意分野の相性が良く、海外の選手とハイレベルに競うことができたのは、大きな経験につながった」と報告。

2018年の国際数学オリンピックにも出場し、2年連続で銅メダルだった渡辺さんは「問題を読み間違えるミスをして、その問題が0点になってしまったのが非常に悔しい。来年もまた出場して、この雪辱(せつじょく)を晴らしたい」と誓った。

柴山文科相は「人工知能(AI)の時代を迎える中で、数学の果たす役割はこれからますます重要になる。みなさんの才能を生かしていってほしい」と期待感を示した。

表敬訪問後、選手らは記者団の取材に応じた。共通テストの「数学Ⅰ・A」で記述式問題が出題されることに対する意見を求められると、平石さんは「センター試験も共通テストも、時間内に多くの問題を解く必要があることは変わらない。数学でスピードが求められること自体がそもそも疑問だ。記述式問題には採点に対する不安もある。模範解答と異なる解き方をしたときに、減点されるようなことがあれば、それは正しくない採点だと思う」と述べた。

兒玉さんは「記述式問題が出題されても、型にはまった答えを書くだけでは、本当に論理力を問うていると言えるのか。作問を工夫すれば、マーク式でも論理力を問うことは十分可能なのではないか」と話した。

第60回国際数学オリンピックは英国のバースで7月11~22日に開催され、112カ国・地域から621人が参加。選手は代数、組み合わせ、幾何、整数論の各分野から出題された問題を6問解き、その成績を競った。23年大会は日本で開催される。