全学的な統括組織の質保証を検討 教職課程基準WG

中教審教員養成部会「教職課程の基準に関するワーキンググループ」は7月23日、第4回会合を開いた。全学的な教職課程の組織を持っている大学へのヒアリングを行い、大学での教職課程の質保証を検討した。

全学的な教職課程組織について検討する教職課程基準WGの委員ら

同WGは、学部を横断して教職課程を統括する組織を大学内に設置できるようにして、共通開設した科目の質を保証することと、責任体制を明確にすることを検討している。

会合ではまず、大学の外部評価などを行う大学基準協会から、全国の大学の教職課程に実施したアンケート結果の報告を受けた。続いて、すでに全学的な教職課程の組織を設立している玉川大学と岡山大学にヒアリングした。

2017年度に文科省の委託調査として大学基準協会が実施したアンケートによると、「教職課程センター」のような教職課程を運営する全学的な独立組織を設置しているのは、全国の教職課程を置く大学の35.7%を占め、「全学教職課程運営委員会」のような全学的な会議体を設置しているのは78.2%に上った。

こうした「教職課程センター」では、教職課程のカリキュラムの調整や教育実習先との連携、学生からの履修相談、教員採用試験への対応などの業務を担っているケースが多かった。

一方、教職課程を運営する組織の課題を聞いたところ、「関係法令等に精通した人材不足」や「教職課程教育に対する担当者の人材不足」などが多く挙がり、専門性を持った人材の確保に苦慮している現状が浮かび上がった。

玉川大学では、12年度から「教師教育リサーチセンター」を設置し、教員志望の学生に、教職課程の履修支援や教員採用試験対策などのキャリア形成支援を行っている。教職課程では早いうちから学校現場を知ってもらおうと、大学1年生から学校の授業を参観する実習や、学校ボランティアに参加するよう学生に促している。

発表した小原芳明同学学長は「リサーチセンターで教職課程のシラバスのチェックを行うなど、質保証の体制を築いているが、教職課程の評価や改善を日々の業務の中に組み込んでいくのは日程的に難しい」と指摘した。

10年に教育学部附属教育実践総合センターを全学的な「教師教育開発センター」に改組した岡山大学では、教育学部と教育学研究科が中心となり、教員養成に関する知見を全学部の教職課程に展開。月に1回開かれる「全学教職課程運営委員会」で、同センターからの提案を審議し、全学部の教職課程で実施できるように運営している。

教職課程の学生には、年4回の教職志向の変化の把握や教員採用試験の受験状況などを調査し、質保証につなげている。

同センターの髙旗浩志教授は「センターは教育学部や教育学研究科の知見を全学展開する『出城』だ。一方で、教育学部以外の学部がその専門性を生かし、優れた中等教育の教員を養成することも重視している」と述べた。

委員からは「大学教育に教職課程をどう位置付けるかが重要だ。教職課程は単に教員免許を取るためだけにあるのではない。『免許を取るための教育』から『教師を育てる教育』に転換していく必要がある」「各学部の教科に関する専門科目の内容に対し、全学的な教職課程組織がどのように働き掛けたり、どこまで権限を持たせたりするべきか、検討する必要がある」などの意見が出た。


関連
関連記事