車いすの生徒の不安を解消 ANAが搭乗支援プログラム

特別支援学校の教員から「修学旅行で飛行機に乗ることに不安がある生徒を安心させてほしい」と要望され、全日本空輸(ANA)が用意した「搭乗支援プログラム」が、東京都板橋区の筑波大学附属桐が丘特別支援学校でこのほど、肢体不自由で電動車いすを使用している高校1、2年生8人を対象に初実施された。

ANAが貸し出しする機内用車いす(ANA提供)

70分間のプログラムで、講師はANAのキャビンアテンダント(CA)やグランドスタッフら5人。生徒らは▽空港での搭乗手続き▽保安検査▽座席への着席▽機内での移動――について説明され、実際に空港や機内で使われている車いすと座席シートを体験した。

用意された車いすは、生徒は空港内で使う樹脂製車いす(モルフ)と、飛行中に機内を移動する際に使う車いすの2種類。

モルフは非金属製なので、保安検査場を乗ったまま通過できる上、メインの車輪を取り外してサブタイヤに切り替えれば、機内通路も移動可能なサイズになる。搭乗の際、飛行機のドア入り口で外側の車輪を外すだけで、車いすから降りることなく自分の席まで移動できるよう工夫されている。

機内では、金属製で小回りがきく、折りたたみ式の車いすを使用する。上体と腰を固定するベルトが付いており、トイレなどにも安全に移動できると知って、安堵(あんど)の表情を浮かべる生徒もいた。

プログラム終了後、生徒は「不安なく飛行機で旅行ができそうでうれしい」「モルフのクッションが快適だった」と感想を述べたほか、「機内用車いすの胸ベルトの位置が調整できるといい」「機内用車いすの車輪が滑りやすい」など、要望を伝えた。

ANAは同プログラムを全国へ展開していく方針。担当者は「障害があるお客さまの搭乗率は、全体の1%にも満たない。このプログラムで飛行機に興味を持っていただき、搭乗を楽しんでほしい」と話している。