教科担任制とICT教育の事例を報告 中教審合同会議

中教審初等中等教育分科会の合同会議が7月24日、文科省内で開かれ、小学校高学年への教科担任制導入を検討するため、すでに教科担任制を採用している兵庫県や横浜市の事例について、ヒアリングを行った。後半では、ICT教育の事例としてAI型タブレット教材キュビナと、茨城県つくば市のみどりの学園義務教育学校について報告を受けた。
ICT教育の事例を説明するコンパスの神野元基社長
この日の会議は、初等中等教育の課題を横断的に議論するため、新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会、教育課程部会、教員養成部会の合同会議として開催された。 まず、文科省担当者が小学校での教科担任制の実施状況を説明。音楽、理科、家庭などを中心に、教科担任制が実質的にかなり広がっている実態が報告された。 教科担任制の事例報告では、まず兵庫県姫路市白鳥小学校の松尾弘子校長が、教科担任制と少人数授業を組み合わせた「兵庫型教科担任制」について説明した。国語、算数、理科、社会から2教科以上を選択して学級担任の交換授業を実施するとともに、加配教員を加えることによって少人数授業による指導を実現している。この結果、不登校の出現率が2010年と14年の比較で15%減少するとともに、発達や学びの連続性を確保できるため小中学校の円滑な接続ができたという成果が報告された。 また、兵庫県の日本海側にある香美町教委の藤原健一教育長は、兵庫型教科担任制による学級担任の交換授業を応用し、人口1万8千人の同町で小規模の小中学校をグループ化して合同授業を行っている事例を報告。人口減少が進む地方でも、体育の球技や音楽の合唱など大人数が必要な授業が可能となり、効果的な学習ができている状況を説明した。 また、横浜市の事例では、学級を持たない学年主任によるマネジメントと教科分担制を組み合わせることにより、学力の向上や児童の心の安定、教員の負担軽減に成果があがっていることが報告された。 後半のICT教育の事例では、AI型タブレット教材キュビナを展開する「コンパス」の神野元基社長が、東京都千代田区立麹町中学校の数学の実証実験で、教科書では授業時数62時間分とされた単元がキュビナによる個別最適化の学習によって34時間で終了するなど、学習効果があがった成果を報告。教師との協働によって授業改善を図るワークブック機能の取り組みなどを説明した。 最後に茨城県つくば市の公立校である、みどりの学園義務教育学校で導入したICT教育について、教科担任制の元で、1年生から9年生まで、ほぼすべての教科でICT機器が活用されている状況を毛利靖校長が報告した。 小学校担当教員20人のうち、当初はプログラミング経験者が2人しかいない状況だったのに、わずか数年で各教科にプログラミング授業が導入されたり、生徒の学力が向上したりした実例を挙げた。