「アダプティブ・ラーニング」で不登校支援 鳥取

鳥取県教委は7月22日、不登校や引きこもりの児童生徒を支援する自宅学習ICT教材として、アダプティブ・ラーニングなどの機能を備えるクラウド型学習システムを採択したことを明らかにした。9月から本格活用する。

クラウド型学習システムで学ぶ子供(すららネット提供)

対象は、県内小中学校の不登校の児童生徒と、高校などに入らずに引きこもりやその傾向にある20歳くらいまでの若者。学べるのは中学3年までの国語、数学、英語の3教科で、19年度は15人ほどの利用を想定している。

採択を決めた「すららネット」のシステムは、一人一人の学力に応じた問題を出題するアダプティブ・ラーニング機能のほか、学習状況をリアルタイムで確認し、スケジュール設定や管理、フォローを行うインタラクティブな機能を備える。

利用する児童生徒のサポートは、「自宅学習支援員」として採用された教員経験者が務める。同県内の東、中、西部の3カ所に1人ずつ配置する予定。支援員は基本的には端末上で利用者とやりとりし、学習計画を立てたり、学習の進み具合を確認したりする。保護者とも連携し、学習面、心理面ともにサポートする。

同社の担当者はシステムについて「初めて学ぶ単元でも、自学自習で基礎学力の定着を図ることができる」と述べ、「学年を問わず個別最適化された学習が可能で、支援員は自宅などの遠隔地にいても、学力が異なる複数の子供の学習管理ができる」と語る。

県教委の担当者は採択に至った経緯を「約20年前、中学生の不登校出現率が全国で最も高い結果となった。『なぜこの鳥取が?』という切実な疑問で、地域性や学校規模、女性の就業など、あらゆる面から原因や対策を検討してきた」と語る。

01年には「鳥取県の不登校問題の改善に関する提言」がなされ、「不登校はいつでも、どこでも、誰にでも起こりうる問題だ」と認識し、市町が運営する教育支援センター「ハートフルスペース」を開設したという。

「同センターでは、主に自宅で過ごす児童生徒への支援は難しいという課題があり、ICTを活用した自宅学習サポートをする運びとなった」と語り、「自宅学習で自信をつけ、学校に通うきっかけや、社会的自立につながれば」と期待を込める。